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ビットキー 東京スクエアガーデンに「Workhub」導入 既存ビルのDXを実現
2021.09.21 16:00
不動産業界でも取り組みが進むDX。業務効率化などで進展が見られるが、ビル賃貸事業においても試みが始まっている。入居者や来館者がビル内でシームレスに移動などができるようになれば、付加価値の向上につながりそうだ。
ビットキー(東京都中央区)は東京建物(東京都中央区)が管理・運営するオフィスビル「東京スクエアガーデン」にて「workhub」を活用。入居者・来訪者の満足度を高めるためのDXを実現した。併せてビットキーの御社オフィスを9月1日より同ビルシェアオフィスから9階へ移転。実際に体験することのできるライブショールームとして運用する。
コロナ禍において急速に働き方が変化する中で、都心のオフィスビルの空室率は上昇傾向にある。リモートワークを中心としたABWの実現に対するニーズも高まっていて、オフィスビルに求められる価値も変化している。しかし既存ビルのDXは季節のセキュリティシステムなど個別の事情によって多額なコストと長期間の設計と工事が必要になるのが一般的だ。今回の既存オフィスビルの「東京スクエアガーデン」でworkhubを既存設備に後付けで導入することにより多面的なDXを実現した。
顔認証によるビル入館、QRコード・ビーコンを用いたホテリング、無人受付システム、会議室に端末を設置する予約システムなど課題を個別に解決するサービスを複数存在する。一方でツールが増えることで利用率の低下や利便性を損なう傾向がある。「workhub」を1つのプラットフォームとして各設備をサービスをつなげて、シームレスな体験の提供を可能にする。
具体的なビルDXとして、テナント専有部の入口にある電気錠や会議室などに設置されたスマートロックをworkhubで連携。一連のセキュリティを顔認証やモバイルFelicaで通過できるようになった。またABWに対応しやすいよう、ホテリング(ABWやフリーアドレススタイルのワークスペースで座席を予約する考え方)にも対応。QRコード貼付といった安価な導入からスマホをかざすだけでチェックインできるRFIDを活用したチェックイン、ビーコンを利用した自動位置照会など、フリーアドレスでも誰がどこにいるかを確認しやすい環境を構築することができる。固定席を利用する社員については顔認証ログから出社状況を判定し、それぞれの働き方に合わせた一元的なデータ収集と出社率/出社状況の可視化を実現する。
これらに加えて会社に来訪したゲストが会議室に事前に入室できる「非対面/無人総合受付」を実現。更に事前予約なしでも会議室や個室ブースを顔認証で利用することもできる。
今後「東京スクエアガーデン」では地下1~地上2階に入居する飲食店との連携を視野に入れるとともに、今後3年でオフィスビルへのworkhub導入を100棟以上に広げていく予定だ。