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安田不動産 日本橋の点開発 路面店舗を誘致 小規模の遊休地を生かす
2021.10.25 11:38
今月末、日本橋浜町に新たな複合施設がオープンする。安田不動産(東京都千代田区)が同地域で進める街づくりコンセプト“「手しごと」と「緑」の見える街”に合う路面型店舗を開発誘致。築30年のオフィスビルをリノベーションし、地域の新たな魅力を創生する。
10月28日にグランドオープンを迎える「スプラウト日本橋浜町」は、1991年竣工・9階建て・延床面積1602㎡のオフィスビル(旧「友泉ビル」)。昨年よりリニューアル工事に着手し、エントランス・外装・オフィスフロア(6F―9F)をリノベーション。建物が面する清洲橋通りの街並みに合った植栽を行い、低層部の外壁には高耐久木材を施工。1階を事務所から店舗に用途変更し、ギャラリーショップ「ヒナタノオト」、コーヒーショップ「Single O Hamacho」を誘致した。同社は日本橋浜町エリアにおいて「住み続けられ、働き続けられる街づくり」を目指し、「日本橋浜町Fタワー」(20階建て/延床3万4876㎡)、「トルナーレ日本橋浜町」(47階建て住宅棟、18階建てオフィス棟/延床面積9万8440㎡)などの大型開発を進めてきた。2015年より街づくりコンセプトを「手しごとと緑の見える街」とし、同社所有の未活用の小規模遊休地等を生かした中小規模の開発により「浜松かねこ」(蕎麦)、「富士屋」(フレンチ)といった路面型店舗の誘致をしている。更に地域住民と企業の交流促進のため「浜町マルシェ」、交流拠点として「Hama House」も開発し、イベント等も積極的に行い、地元町会や商店街、企業約20者と共に「日本橋エリアマネジメント」を立ち上げている。 オーストラリア・シドニー発の「Single O Hamacho」には世界初のシステム「コーヒーオンタップ」が登場。6つ並ぶタップから自身でコーヒーを注ぐ形式だ。店舗入り口は見通しも良く、近隣住民の新たな憩いのスポットとなりそうだ。
同社の開発事業本部開発第一部第一課・課長の佐藤隆二氏は、「誘致した2店舗は共に、我々の街づくりのコンセプトに共感して頂きました。引き続きエリアの回遊性を高め、街歩きを楽しめるような地域を目指してまいります」と話した。