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北海道放送本社跡地に6万㎡超の複合ビル着工 500坪からスモールオフィスまで様々なタイプの貸床を用意
2021.11.22 11:25
NTT都市開発(東京都千代田区)は、札幌市中央区北の旧北海道放送本社跡地で開発中の建物の起工式を今月12日に実施し、本格着工した。竣工は2024年2月を予定している。
計画地は札幌の都心部に位置し、北海道庁と大通公園に挟まれたエリア。都心部ならではの高い利便性、豊かな緑に囲まれた解放感と落ち着いた環境による希少な立地性、北海道を代表する歴史的建造物に隣接する歴史性を備える。
開発コンセプトは「START LOCATION Sapporo ~札幌の新たなビジネス・旅・賑わいの発信拠点の創造~」。価値観がめまぐるしく変化する時代に、多様な人が集い、交わり、発見し、共創する「ここから始まる場所」をつくり、札幌・北海道の発展に貢献するとしている。
新築される建物は、敷地面積4606㎡、延床面積6万916㎡、地上26階地下2階。北棟と南棟の二棟構成を予定しており、北一条地下駐車場と公共地下歩道に接続予定。
北棟1~2階には約1300㎡を有する屋内外広場を設置。飲食店舗を設け、市民や観光客、ワーカー等の憩いの場を実現する。また1階には大型ビジョンを備えた2層吹き抜けのアトリウム空間を設え、北海道の観光情報やその他最新情報の発信、パブリックビューイング等のイベントを実施することで、「まちの賑わい発信拠点」の構築を実現する。
北棟3~16階には、1フロア500坪超を有し、最小約30坪までの分割区画が可能なオフィス空間を提供。南棟のスモールオフィスと合わせて様々なテナントニーズに応え、入居テナントの専有部の効率化、コスト削減を実現する。テナント専用ラウンジなどの共用スペースやビル利用者向けアプリ、NTTグループのICTを活用したサポートも実施し、ワーカーの新しい働き方、生産性向上を実現する。また大企業からベンチャー・スタートアップまで様々な業種・業態の企業間交流を促すため、飲食パーティーも可能なイベントラウンジを設けると共に、南棟ではコミュニティマネージャーの配置やICTの活用による人材マッチングを促進し、共創を加速させることで、「新たなビジネスの発信拠点」を構築する。
17~26階にはホテルチェーンを誘致。北海道を感じられるデザインを随所に取り入れたシンプルで上質な客室、北海道の食文化を感じられるレストラン、宿泊客のニーズに応えるためのサービスなどを計画し、新たな北海道の「旅の出発拠点」を構築する。
感染症対策としては、カードキー等と連動したエレベーターシステムを導入し、エントランスからエレベーター、テナント専有部までタッチレスによる移動を実現するとともに、共用部の混雑状況を遠隔で把握できるビル利用者向けアプリの導入を予定する。BCP面では、オプションで最大72時間給電可能な非常用発電設備を計画している。また屋内広場の一部は100名収容可能な一時避難場所となり、地域防災拠点として機能する。
カーボンニュートラルな社会の実現に向けた取り組みとしては、建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE札幌(札幌市建築物環境配慮制度)」において、Aランクを達成している。