週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

平和不動産の新築木質ビル　名称は「KITOKI」に

2021.11.22 11:08

　平和不動産（東京都中央区）は、２０２２年３月末日竣工予定の「（仮称）兜町８５プロジェクト」の建物名称を「ＫＩＴＯＫＩ」に決定したと発表した。
　建設地は、東京メトロ東西線「茅場町駅」より徒歩１分。今年８月竣工の「ＫＡＢＵＴＯ　ＯＮＥ」のすぐ西側に位置する。木造ハイブリッド構造（ＳＲＣ造・木造）を採用した延床面積９７６㎡、地上１０階のオフィスビルで、自然を取り入れた有機的なデザインが特徴的。
　１～３階のＳＲＣ型枠には屋久杉を加工した木型枠を採用し、表面を有機的な表情に仕上げている。コンクリート柱の表面にも有機的な模様を追求。樹皮の模様をベースとしつつ、縁起をかつぐ兜町にちなんでカブトムシなど昆虫の模様を混ぜ込んでデザインした。低層部の型枠に活用した木材はベンチなどの一部に転用。エントランス部分を含む１～３階部分の梁には、秋田県産の栗の丸太を使用している。
　オフィスフロアは、室内の木質化に加えバイオフィリックデザインを採用。心地よく働くことができる環境を設えた、「風」、「水」、「木」をテーマとした３種類のセットアップオフィスも用意する。また全フロアに開放可能なバルコニーも設置し、自然の空気を取り入れた換気ができる。さらに屋上菜園も整備。キッチンも完備し、チームビルディングにも活用できるほか、一人ワークや打合せが可能なスペースも整備する。
　名称の「ＫＩＴＯＫＩ」は、平和不動産が推進する日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクトのキャッチフレーズである「起点であり、輝点となる。」に加え、期待、希望、歓喜、好機、黄金色など、この街にあふれる「ＫＩ」をつなぐ場になるという想いをこめて名付けたという。