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関電不動産開発 個人事業主・小規模経営者向けセミナー開始 税制・リスクマネジメントなどテーマ 運営するシェアオフィスで

2021.11.22 11:05

 関電不動産開発(大阪市北区)が、大阪・淀屋橋の自社保有ビル内で運営するシェアオフィス・コワーキングスペース「WORKINGSWITCHELK」は、起業検討者や個人事業主・小規模事業経営者対象の無料セミナーを10月から開催している。会員以外の参加も可能で、新規会員の獲得および既存会員の起業・スタートアップ支援などにつなげたい考えだ。

 10月21日には「知らないと損する会社のお金の活かし方」が開催され、ファイナンシャルプランナーのフェイス和嶋修二代表取締役と甚田総合会計事務所の梶浦光史税理士の両名が「法人化をするメリット・デメリットと、法人化のタイミング」「社長の給与額はどう決めるか」「小規模企業・個人事業主だからできる節税対策」「事業継続をどうするか」「従業員の福利厚生対策」5つのテーマで講演。「同じ売上高なら、個人事業主の方が、手取り収入が多いケースもある。税率だけを考えて法人化するのではなく、人材採用面など総合的に判断を」「社長1人で年間1500万円の役員報酬よりも、妻と子を役員にして、それぞれが年間500万円の報酬を得た方が合計の手取り額が多くなる」などと説明した。
 最後に「企業永続の条件」として(1)経営者が現場を大切にすること。会社が大きくなると、社長は「社交」などに精を出しがち、(2)経営者は数字に強くなること。決算書は読めるようにしておきたい。読めない場合は専門家に遠慮なく尋ねるべき、と締めくくった。
 11月6日は、あど税理士事務所の金園英也代表税理士、保険代理店FPSの藤木秀人氏と田中康嗣氏の3名が、それぞれ「今すぐ創業、法人設立するべき理由とは?」「事業主は気にしている○○な話~おとなのがん教育編」「企業を取り巻くリスク」のテーマで講演した。
 金園氏は2023年10月からスタートする「インボイス制度」について解説。「適格請求書を発行できない消費税免税事業者は、仕事を『切られる』可能性がある」と指摘し「業種業態にもよるが消費税課税事業者になることを前提にすべき。現在創業2年までの事業者は消費税納税が免除されているが、23年10月から課税事業者になるのであれば、免除期間を最大限活かすためにも、早期に起業を」とアドバイスした。
 藤木氏は「医師は全てのがん治療法を示してくれるわけではない。患者本人や家族が自分で望む治療法を探し出す必要がある。がん治療に重要なのは情報と資金」とアドバイス。さらに保険代理店の立場から「『生命保険に先進医療特約が付いているので』と安心している人もいるが、部位などにより自由診療ではあるが先進医療が適用されないこともある。保険の契約内容をよく確認すべき」と注意を喚起した。
 田中氏は、生じるリスクについては「自分で抱える」「他に転嫁する」「軽減する」「回避する」の4つの対処方法があることを説明。「事業のどこの工程でどの様なリスクが発生するのかを洗い出し、それらの中から『なんとかしなくてはいけないもの』を選別し、それについてさらに、保険をかけるべきなのか、かけるのはどの様な保険がいいのかを検討する必要がある」と、リスク分析に対する考え方を解説した。




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