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西日本鉄道 事業戦略説明会開催 「福ビル街区建替プロジェクト」など街づくり積極的に
2021.12.06 11:59
西日本鉄道(福岡市博多区)は先月22日、西鉄グループ事業戦略説明会を都内で開催した。
同社では今年3月、「“修正”第15次中期経営計画」を発表。昨年からの新型コロナウイルス感染症は同社事業にも影響を与えてきた。今回の修正中期経営計画について代表取締役の林田浩一氏は「コロナショックから再び成長軌道へ向かうための構造改革、ニューノーマル下での成長戦略を盛り込んだ計画」だとした。
不動産業に関わる取り組みとしては福岡都心部での複数の大型再開発プロジェクトが目玉となっている。同社が事業参画して、22年12月に竣工予定の「旧大名小学校跡地活用事業」では、福岡市が目指す都市像として掲げる「グローバル創業都市・福岡」を具現化するオフィス・商業を含む複合施設となる予定。またラグジュアリーホテルの「ザ・リッツ・カールトン」が九州初進出を予定している。
やはり事業参画する「青果市場跡地活用事業」では、三井ショッピングパークららぽーと福岡が開業予定。それ以外にも九州初進出となるテナントを誘致、注目されている。
そして2024年度には「福ビル街区建替プロジェクト」の開業が控えている。プロジェクトを行っている天神エリアは福岡市が推進する「天神ビッグバン」によって、航空法高さ制限の緩和を受ける。
プロジェクトの開発コンセプトは「創造交差点」。「アジアと福岡・九州の創造交差点」、「働きと暮らしの創造交差点」の双方から常に新しいビジネスと文化と生み出している場所にしていきたい、という想いから設定。
建物は地上19階地下4階、延床面積は約14万7000㎡、敷地面積は約8600㎡となっている。8~17階のオフィスの基準階面積は約1400坪で西日本最大。また18~19階にはクリエイティブワーカーや外資系ワーカーをターゲットにしたハイクオリティホテルとする。外装デザインと6、7階のスカイロビー、オフィス共用部の内装デザインは「六本木ヒルズ森タワー」や「コレド日本橋」などを手掛けたKohn Pedersen Fox Associates(KPF)を起用。外装との連続性やビル全体の調和を意識したデザインを目指す。
スカイロビーでは多様な働き方や創造的な働き方、健康的な働き方をサポートする環境を提供するとともに、入居者同士が交流できる機会を積極的に設けて、企業間交流の促進とビジネスの協業を目指す。
感染症対応も施す。自然換気が可能となるダブルスキンの採用で、天候や騒音に関わらず、常時窓を開けての換気が可能となった。また非接触エレベーターシステムを導入。スカイロビーでは5G導入でテレワークやWEB会議などを併用した新しいワークスタイルのサポートを目指す。オフィスはデザイン性の高さに加え、オフィスセキュリティやVIP動線・VIP車寄せも確保。また、環境負荷低減や最先端のBCP対応も行っていく。