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「日本生命福岡ビル」「福岡三栄ビル」建替え概要発表 天神ビッグバンボーナス付与された地上18階の複合ビルに
2021.12.20 11:38
日本生命保険(大阪市中央区)と積水ハウス(大阪市北区)が福岡市中央区天神に所有し、取り壊し工事に着手している「(仮称)天神一丁目北14番街区ビル」について、建替計画に関する概要が決定した。竣工は2025年3月を予定している。
同ビルは「日本生命福岡ビル」と「福岡三栄ビル」を取り壊し、敷地面積3050㎡、延床面積3万9300㎡、地上18階地下2階のビルを建設するもの。新築されるビルには事務所、店舗などが入る予定。天神地区に新たな空間と雇用を創出するプロジェクト「天神ビッグバン」を後押しすることで、エリアで進められている街づくりへの貢献を目指す。また、天神の魅力向上に資するビルとして福岡市から認定され、容積緩和などのインセンティブを付与される「天神ビッグバンボーナス」の適用も受けている。
外観デザインは「福岡市赤煉瓦文化館」や天神地下街に共通するもの。一部にレンガ調を取り入れ、重厚で風格のある佇まいを次世代に継承するデザインを採用した。敷地内には明治通りと昭和通りをつなぐ幅員8mのプロムナードを形成。天神中央公園やアクロス福岡といった緑豊かな空間と連続するプロムナード沿いには常緑並木や壁面緑化を配置し、歩行者に潤いを提供する。また、緑と相性の良いレンガ積の列柱やプロムナードに面したカフェ、ベンチの配置など、来街者やオフィスワーカーが憩い、楽しめる空間を創出していく。
広範囲の壁面緑化や常緑並木の形成は、ヒートアイランドの抑制をはじめCO2の削減、大気浄化といった様々な環境負荷低減にも貢献する。また、照明や空調設備等の高効率機器の採用や外壁の遮熱性向上等の取り組みにより、省エネ性能の高いビルを目指していく。
地下鉄コンコースに接続する明治通り側の地上地下立体広場や、昭和通り側の地上広場には、ランドマークとなる壁面緑化や赤煉瓦文化館をモチーフとしたクラシカルな化粧壁、高さ8m以上のシンボルツリー、デザイン性の高いベンチ等を配置し、憩いや風格のある空間を創出する。
福岡市が進める「感染症対応シティ」の実現に向けた取り組みとしては、オフィスの自然換気システムの導入や、通行量の多い箇所への非接触検温センサー設置、広場やオフィスエントランスへのWi-Fi提供による通信環境充実等に取り組み、ポストコロナに対応した安全・安心なビルを目指していく。