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アースウィンド 「EARTH LAUNDRY」出店戦略を加速 1階空室の有効活用で物件のブランディングに寄与
2022.01.06 15:11
事業用不動産の売買仲介やオフィス・店舗の賃貸仲介、サブリース、プロパティマネジメントなど、多彩な不動産サービスを展開しているアースウィンド(東京都中央区)では、2018年に新規事業としてコインランドリーの運営事業に参入。「EARTH LAUNDRY(アースランドリー)」のブランド名で同年5月に1号店を中央区湊にオープンし、築地や人形町、森下、菊川、赤羽など、都内でも居住人口の多いエリアでの出店展開を加速させている。昨年11月には大田区東蒲田に新店舗をオープンさせ、「EARTH LAUNDRY」は現在までに13店舗を数える。
「EARTH LAUNDRY」はスタイリッシュで洗練された内装・外装で、従来のコインランドリーのイメージを覆す居心地の良さが大きな特長である。同社戦略営業部の加賀山大士氏は「社内に専門部隊をつくり、内装や外装のデザインにはこだわっています。地域に合った雰囲気づくりや利用しやすさを意識しながら、内装や外装のデザインをプロデュースしています」と話す。店舗の広さは約10坪から30坪程度で、洗濯乾燥機のほか大型乾燥機、スニーカー用の洗濯機や乾燥機などの機器を配置。ホームページ上では各店舗の設置機器の混雑状況をリアルタイムで表示するほか、洗濯乾燥機の利用中はスマートフォンと連動して終了数分前になると終了を知らせるサービスも利用者から好評を得ている。
加賀山氏によれば、「EARTH LAUNDRY」は居住人口が多い都心に近接した住宅エリアへの出店戦略を積極的に展開しており、古くからの住民は元よりマンション開発によって流入した新しい住民の洗濯ニーズの受け皿となるなど、利用者層の裾野を着実に広げているという。「当初は布団や毛布の大物洗いや雨天時など、自宅での洗濯・乾燥が難しいシチュエーションでの利用を中心に想定していた」(加賀山氏)というが、実際には天候に関わらず日常的な洗濯・乾燥で利用するリピーターが非常に多く、共働きで洗濯・乾燥を短時間に済ませたいニーズや深夜帯の利用ニーズなど、現代の生活スタイルに沿った様々なニーズに「EARTH LAUNDRY」は対応しているとのことだ。
「100店舗を目標に今後も出店を加速させる考えです。そのためには新たな付加価値の提供が必要であり、洗濯物のお預かり・お届けサービスやショッピングモールへの出店、他店舗とのコラボなど、次なるサービスを社内で検討しています。ビル・マンションのオーナーから1階の空きスペースへの出店を希望する問い合わせが増えてきており、コロナ禍で1階のテナントリーシングに不安を抱える方が多いことを実感しています」(加賀山氏)
洗濯は日常生活の中で欠かせない家事であり、コインランドリーは景気の波に左右されず安定して稼働するビジネスモデルとされる。洗濯から乾燥まで一連の作業の時間短縮効果があるとして、コインランドリーを利用する客層は徐々に広がっているだけに、アースウィンドの「EARTH LAUNDRY」は1階の空き店舗や空きスペースを活用し地域住民の潜在需要を掘り起こす有効な一手となるだろう。