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大林組 耐火性能検証とBIMを連携させた設計システムを開発

2022.01.06 15:08

 大林組(東京都港区)は、建物の耐火性能検証法とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を相互連携し、データを一元的に利用する設計システム「SHAREDTIK(シェアードティック)」を開発した。建物の価値の向上を図るとともに設計業務の変革に寄与する業界初の取り組みで、建築物における合理的で自由度の高い性能設計を実現できるという。
 同システムは、耐火性能検証法に必要な情報や計算および判定を、BIM上でデータ抽出と自動計算を実行し、結果を帳票や図面として出力するため、正確かつ合理的でスピーディーな検証と書類作成が可能となった。
 BIMのデータを用いて、耐火性能検証に必要な情報を自動計算処理するプログラムをBIM機能に搭載した。データが自動的に活用されるため、転記ミスは発生せず、計算の手間が省略できる。また、自動計算を行うことで整合性の確認作業がなくなり、検証作業時間の削減や性能評価および大臣認定での検証内容の審査の向上と時間短縮が図れるため、従来に比べ7割以上の大幅な業務削減効果が期待できる。さらに、少ない作業者での検証が可能となるため労務費の低減効果も図れ、耐火性能検証の適用案件数が増えた場合にも対応できる。
 火災継続時間の算定に必要な材料などの建築情報と、保有耐火時間の算定に必要な構造情報は、同一モデルからデータを抽出し、自動計算により火災継続時間と保有耐火時間の比較が機能的に処理できるため、作業性も格段に向上する。また、NGの判定が出た場合は、システム上に不備な箇所が明示されるので、BIMのデータの修正や更新、再計算することで容易に是正ができ、同時にBIMへ是正部分のフィードバックも行えるため、正確性がより向上する。
 同システムはBIM上で情報を一元化するため、各検証で使用する面積や天井高さや仕上などの情報は同一であり、また、構造部材は高層構造性能評価と避難安全検証と同一データを使用するため、従前に比べより親和性が高く整合性の向上が図れる。そのため、作成時期と過程が異なることによる内容の漏れや齟齬(そご)、評価や検証の違いによる不整合が発生する可能性もなくなった。さらに確認済証の受領後は、そのまま施工時にも検証情報や入力されたデータが活用されるので、施工精度の向上が図れる。そして、竣工後の維持管理時にもデータの活用ができ、伝達ミスを防止し確実な品質管理に役立てることができる。




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