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「(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル」着工
2022.02.07 11:04
鹿島建設(東京都港区)は1日、同社が福岡市博多区で開発を進める「(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル」を1月4日に着工したと発表した。
計画地は地下鉄空港線「中洲川端」駅から徒歩3分、「天神」駅から徒歩6分の主要幹線道路(昭和通り)に面した好立地。敷地面積2068㎡、延床面積1万6124㎡、S造(付加制震)、地上14階のオフィスビルが2023年6月(予定)に誕生する。
同ビルでは基準階の事務所有効面積が約320坪、天井高2・8m、奥行き14mの無柱空間を実現し、フレキシブルな執務環境を提供する。また、最小賃貸床面積は約31坪とし、スタートアップ企業などにも使いやすい設定とした。共用部は男女の個室数を変更できるトイレプラン、利用者の行先階に応じてエレベーターの運行を自動制御するシステムを採用し、混雑度合いに応じて柔軟に対応ができる仕様となっている。
メーンエントランスとなる南東側(昭和通り側)には天井高さ約10mのピロティを設け、オフィスと街をつなぐことで豊かな賑わいを創出。北西側には周辺環境と連続した植栽帯によるポケットパークを設置し、地域の人々や来街者にとっての憩いの場を生み出す。また、各フロアには共用のリフレッシュバルコニー、10階より上のフロアには専有バルコニーを設けることでリフレッシュできる空間を創出。屋上には入居者専用のルーフトップガーデンとリフレッシュラウンジを設け、眺望を楽しみながらコミュニケーションやリフレッシュができるようにする。
一方、環境対策においては高性能Low-Eガラスや高効率空調機の導入、明るさセンサーによる貸事務室照明の適正な照度設定により、今後のオフィスビルの基軸となる「ZEB Ready」認証を取得。併せてビル利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する取組みが評価され、CASBEE-スマートウェルネスオフィス認証のSランクも取得した。テナントオフィスビルでの同認証の取得は、九州エリアで初になるという。
さらに、建物の構造には同社の保有技術である「ハニカムダンパ」を鉄骨に組み込んだ「付加制震」を採用。電力は2つの系統から供給を受けて冗長性を確保し、連続72時間まで稼働する非常用発電機を完備するなどBCP対策にも万全を期している。