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三菱地所「TOKYO TORCH」 国内初の「SITES」ゴールド評価を取得
2022.04.11 10:57
三菱地所(東京都千代田区)は、「TOKYO TORCH 常盤橋タワー」と「TOKYO TORCH Park」において、ランドスケープのサステナビリティを主に評価する環境認証「SITES(The Sustainable SITES Initiative)」のゴールド評価を、国内の都心複合ビル開発プロジェクトとしては初めて取得した。
また、在来種を積極的に植栽し、生物多様性の保全に取り組む緑地を東京都が登録・公表する制度「江戸のみどり登録緑地」にも新たに登録した。これにより、既に取得済の「DBJグリーンビルディング認証」、「SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム認証)」、「ABINC認証(いきもの共生事業所認証)」を含め5つの環境認証を取得した。
5つの環境認証を取得し、世界でもトップレベルの環境への配慮が認められた「TOKYO TORCH」は2027年度の全体開業に向けて、更なる環境配慮を進めながら街づくりを進めている。
ランドスケープデザインにおいて、植生・材料選定・雨水及び中水の利活用を意識し、環境に配慮した計画とした。開発前の既存樹(ケヤキ)の保全、緑地面積の約9割を在来種で構成する植栽計画。また、建物の雨水貯留槽や外構部の浸透桝による雨水の貯留・活用、ドリップ式灌水により、外構部の維持管理において上水を使用しない計画としている。
アクセス性が良く、開発前より人通りが多い街のポテンシャルを踏まえ、年齢、性別、人種などを問わずに参加可能なイベントやプログラムを開催できるイベントスペースを確保し、開業後より四季に合わせたイベントを開催。また、広場空間は24時間常時一般開放し、座ることができるスペースを十分に確保することや、屋外を完全禁煙とすることで人の健康とウェルビーイングに配慮した計画。
設計前の段階より施設管理者を含め、多様な職能がランドスケープデザイン検討に参画し、計画を進めた。維持管理計画の中では、農薬、化学肥料の散布を最低限にすることや、維持管理に使用する機器の多くを軽油駆動の機器ではく、電動機器を用いる。
また、屋外空間でのツアーや様々な媒体での公表を通じて、同街区での取り組みを広く共有している。開業後より3年間、灌水量、侵略種、屋外の利用状況に関する継続的なモニタリングを実施し、モニタリングの結果をもとにその後の街区の維持管理計画の見直しを実施する予定である。
同計画では、災害時に防災活動拠点として広場に設置しているマンホールトイレ設置のほか、物資や情報を提供する等、帰宅困難者の受け入れを行う予定。