週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
旧逓信省簡易保険局跡地を三井不と地所が再開発 名所は「三田ガーデンヒルズ」に
2022.05.09 11:27
三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)と三菱地所レジデンス(東京都千代田区)は、2025年3月に竣工予定の「(仮称)港区三田一丁目計画」(東京都港区三田一丁目)の名称を「三田ガーデンヒルズ」に決定し、先月25日にオフィシャルサイトを開設した。
立地は都営大江戸線・東京メトロ南北線「麻布十番」駅徒歩5分、旧逓信省簡易保険局庁舎の跡地。「三田ガーデンヒルズ」は、三井不動産グループと三菱地所グループが都心で、「広尾ガーデンヒルズ」以来の「ガーデンヒルズ」で、38年振りに共同開発する大規模複合住宅となる。
計画概要は敷地面積2万5246㎡、鉄筋コンクリート造地上14階地下2階の主棟など、総戸数1002戸の分譲マンションを開発するもの。敷地内には雄大な起伏で構成される入居者専用の中庭を中心に、既存樹を含む植栽約130種を配置した約7700㎡の緑地空間を計画。植栽への育成には年間約500tの雨水を利用し、環境の維持・保全にも努める。
居室は約29~370㎡台。共用施設も充実させ、ワークスペースやジム、ゴルフラウンジ、サウナや岩盤浴のほか、シアタールーム、ミュージックルーム、カフェラウンジ、バー、レストランなどを計画している。コンシェルジュやポーター、ドアマンなどのフロントサービスは帝国ホテル(東京都千代田区)が提供し、上質なサービスを提供する。
メインデザインは東京を拠点に国際的活動を行う建築設計事務所ホシノアーキテクツが担当。更に、ロンドンを拠点に国際的活動を行う建築設計事務所ホプキンスアーキテクツが国内マンションのファサード・デザインに初参画する。
建物は1929年竣工の歴史的建造物である旧逓信省簡易保険局庁舎を一部保存・再生し、ファサードとして活用。格式あるファサード・デザインを実現するとともに、歴史の継承と景観への配慮に努める。
環境対策としては、国内マンション初採用となるBloomEnergyJapan(東京都港区)の大規模燃料電池(250kw)と、太陽光発電設備(200kw)により通常時からオンサイト発電で電力を供給する等の取り組みを行う。
更にデュアルフューエルガスタービン発電機(1500kVA)を設置し、有事の際もガスの供給および関連設備が維持される間、予め設定した電力供給量に基づき、共用部(照明、空調、エレベーター、給排水設備、セキュリティ等の一部)と全ての住戸(照明、給湯器・冷蔵庫・情報盤用コンセント等の一部)に、継続的・安定的に電気の供給を可能とする。また全ての入居者の非常食や飲用水約3日分を備蓄している。