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ビルの共用部を活用したカフェ開業 利用者への充実したサービス提供で物件の価値向上に期待

2022.08.01 11:35

 IMOM(名古屋市中区)は、オフィスビルのテナントフロア兼共用部にカフェ「IMOM COFFEE」を18日にオープンした。IMOM は「誰もが生きやすい、寛容な社会をつくる」をミッションに、就労継続支援B型事業所の運営を主軸に2016年に設立。近年は、素材の味を活かしたシンプルな焼菓子と、自家焙煎のスペシャルティコーヒーのお店「焼菓子とコーヒー パーラーイムオム」や東京・目黒の「LITTLE TOY BOX」などを開業。飲食事業まで幅を広げつつある。コーヒーに特化したカフェをビルの共用部空間と一体になって営業する今回の取り組みは、IMOMでは初の試みとなる。
 「IMOM COFFEE」が入居するのは、三菱地所(東京都千代田区)コンパクトオフィスシリーズ「CIRCLES」の中部エリア初展開となる「CIRCLES名古屋錦」1階。テナント区画約10坪と共用部の約12坪の計22坪に室内30席とテラス席を設けている。オフィスビル共用部との連携を意識し、「給湯室」をコンセプトに気軽にオフィス就業者も利用しやすい店づくりを徹底した。
 取締役兼営業部長の若山純氏は「『地域に開かれたオフィスを目指しており、オフィス就業者だけでなく地域の方々など、さまざまな人が安らぎ・交流する空間づくりを貴社にしていただけないか。』とお声がけ頂き、結果としてテナント区画だけでなくオフィス共有部も活用して出店することとなりました」と経緯を話す。
 さらに4000~9000円のサブスクサービスも展開。会員証の提示で会計から10%オフの割引などお得感あるサービス形態を提供している。
 「給湯室は表の目的である来客へのお茶淹れ以上にリフレッシュスペースやコミュニケーションスペースといった裏の目的としての”マグネットスペース”としての重要な役割があります。そういった空間の設計を行いたいという思いからサブスクの導入を決めました。
 また名古屋のコーヒーショップではサブスクのイメージが全くなかったので、当社が先駆けて始めることで、珈琲店としての認識が広がるのではないかと期待しています」。
 今後名古屋市内のオフィス街をはじめ、「IMOM COFFEE」の出店をさらに拡大していく構えだ。地域に根差した事業者の運営するこだわりカフェが、オフィスワーカーの心と体を癒していく。




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