週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
「ポータルポイント恵比寿」が増床 コロナ禍でもシェアオフィス需要は拡大
2022.09.05 10:26
渋谷区・港区を中心にクリエイティブオフィスの企画・開発・運営を手掛けているリアルゲイト(東京都渋谷区)は、大型複合施設「恵比寿ガーデンプレイス」のグラススクエア内に位置する複合型ワークプレイス「PORTAL POINT ―Ebisu―(ポータルポイント恵比寿)」を約290坪増床し、リニューアルオープンした。
「ポータルポイント恵比寿」は、「新しいライフスタイルの創造」を目的に2019年オープン。開放感のあるコミュニティラウンジを中心として、シェアオフィスや入居者専用のラウンジスペース、ミーティングルーム、カフェなどで構成される。シェアオフィスは通路に面し店舗としても利用可能なショールームオフィス、完全個室のプライベートオフィス、フリーデスクスペースなど様々なタイプを用意。今回新たにオープンしたのはかつて飲食店街であった区画の約290坪で、シェアオフィス13区画のほかラウンジスペース「WORK HUB(ワークハブ)」とウェブ会議が可能なフォンブースを追加した。同社営業企画部の伊藤健氏は「『ポータルポイント恵比寿』のリニューアルオープンはコロナ禍の前からオーナーのサッポロ不動産開発様よりお声がけ頂き、準備を進めてきました。シェアオフィス13区画のうち、既に5区画については入居企業が内定の状況で、今後半年以内に満室を目指す考えです」と話す。将来的には隣接する「恵比寿ガーデンプレイスタワー」の入居企業を交えた交流の促進を、イベント企画などを通じて積極的に行っていくという。
「恵比寿ガーデンプレイス」を運営するサッポロ不動産開発(東京都渋谷区)の賃貸統括部・太田貴之部長は「『恵比寿ガーデンプレイス』において、『ポータルポイント恵比寿』は交流や共感が生まれるコミュニティ空間を提供してきました。コロナ禍においても、恵比寿のまちで働く場を多様化させる機能を担ってきており、成長する企業の受け皿のひとつになっています」と述べる。また、今回のリニューアルオープンに対しては「『恵比寿ガーデンプレイス』では、商業の中心となるセンタープラザが11月にグランドオープンする予定で、拡充する『ポータルポイント恵比寿』においては、日々を自分らしく愉しみながら恵比寿のまちで働く人に、クリエイティブな刺激を与え、こういったライフクリエイターズの多様な働き方を支えていくことをこれからも期待しております」とのことだ。
リアルゲイトは現在、渋谷区・港区・目黒区を中心に60棟あまりのクリエイティブオフィスを企画し、運営を行っている。同社の岩本裕社長は「6月時点の都心5区における当社運営施設の稼働率は97・9%と、一般的な賃貸オフィスビルの平均稼働率を上回っています。コロナ禍を経ての最近の傾向としては、エリアによってオフィス需要の強弱が明確に現れていると感じています。オフィスに特化した立地や地域経済が観光に偏っているエリアなどでは引き合いが縮小している一方で、オフィス・商業・住宅などの機能がバランスよく充実している恵比寿や中目黒といったエリアは引き合いが高まっています。リモートワークを導入しながらも、企業にとっての拠点となるオフィスはやはり必要で、今後もオフィス需要は様々な機能を複合的に有するエリアに人気が集中する傾向が続くのではないかと考えています」と述べる。