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「国際ビル」と「帝劇ビル」を共同で建替えへ 2025年を目処に両ビルを閉館、一体的な開発に着手
2022.10.03 11:37
三菱地所(東京都千代田区)、東宝(東京都千代田区)及び出光美術館(東京都千代田区)は、東京都千代田区丸の内三丁目に位置する三菱地所所有の「国際ビル」と、東宝及び出光美術館所有の「帝劇ビル」を共同で建て替える。建替え後は、建物内において、帝国劇場・出光美術館の再開を予定。
同計画は、両ビルの竣工から約56年が経過し、防災対応機能の強化、ポストコロナ時代の新しい働き方をはじめとするテナントニーズの高度化や脱炭素社会の実現に向けた社会的要請への対応強化等、機能更新をはかると共に、有楽町エリアの上位計画で定められている魅力あるまちづくりに貢献する。
同計画では、これまで培い愛されてきた歴史と伝統を継承しながら、今後連続的な再開発が予定されている有楽町エリアにおける文化・芸術の拠点としてさらに発展させ、感性豊かに働き集うことが出来る魅力あるまちづくりを通じて、東京の国際競争力の向上にも貢献する。
「国際ビル」は、敷地面積5623・30㎡、延床面積約7万6918・25㎡、鉄筋コンクリート造地上9階地下6階塔屋3階建ての複合ビル。「帝劇ビル」は、敷地面積3825・05㎡、延床面積3万9419・80㎡、鉄骨鉄筋コンクリート造地上9階地下6階塔屋3階建ての複合ビル。
両ビルは、風格ある緑と水の景観が広がる皇居外苑のお濠と、ウォーカブルな賑わい溢れる丸の内仲通りの双方に面しており、有楽町線をはじめ地下鉄2駅4路線が交差し、JR「有楽町」駅にも近接する抜群の交通利便性を有する立地において、1966年の竣工以来、品格あるビジネス拠点として機能してきた。
帝劇ビルにある「帝国劇場」は、1911年に近代日本の文化芸術のフラッグシップとして開設された後、1966年に建替え竣工した2代目であり、日本を代表する演劇・ミュージカルの聖地として、長年の間、多くの観劇ファン・俳優から愛された。建替え後のビルにおいても、新たな「帝国劇場」の再開を予定している。
同じく帝劇ビルにある「出光美術館」は、出光興産の創業者である出光佐三氏が70余年の歳月をかけて蒐集した美術品を展示・公開するため開館され、現在では国宝2件・重要文化財57件を含む約1万件のコレクションを有する美術館。