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類設計室の運営「フリースペース・類」2階200㎡を改修 近隣住民へ開放
2022.10.03 11:08
ドロップインや教室イベント等の需要高い
類設計室(大阪市淀川区)は、2018年4月からコワーキングやイベントスペースとして機能する「フリースペース・類」を運営している。
同社の本社オフィスが入居する「類ビル」2階で開設し、今年で4年が経過した。本業は設計事務所として設計・コンサル・都市計画・長期修繕などを展開してきたが、従前から他の分野にも挑戦してきた。地域住民等が対象の学習塾、農作物の栽培や直営所展開といった農園事業など。社会を器と捉えて、より良い内容に設計・コンサルしていく思いが前述の取り組みに繋がっている。フリースペース・類も同様で、他のテナントが入居していた2階200㎡を退去後に地域へ開放したスペースに改修。地域再生や活性化、人と人の繋がる場づくりを意識した。
フリースペース・類の利用者は主に3つ。ドロップインでのフリースペース利用、イベントや教室等でのスペース利用、貸会議室の利用である。現在ドロップインの利用が多く、近隣住民がちょっとしたデスクワークや学生の自習場所、会社員の資格取得を目的とした勉強場所などで活用される。施設は広いフリースペースを中心に構成。数人での会議・打ち合わせに適した個別ブース。教室等で活用される大・小ある和室。中規模・大規模での会議や研修会、社員全員参加のイベントにも活用できる会議室と劇場会議室も用意。営業時間はお盆、年末年始及びGWの休暇以外は無休で、日曜・祝日のみ営業時間が短い。フリースペースは2時間300円、4時間500円、1日利用だと800円。マンスリープランだと月額1万円、マンスリーのアフターファイブだと月額4500円である。
年々利用者が増加 年間3万人以上利用
自由度の高い利用環境が施設の強み。貸会議室やイベント利用以外は予約不要で、飲食の持ち込みも可能。無料Wi―Fiや電源、貸出用のPCも用意し、飲料も無料で利用できる。フリースペースは部屋の広さから、子育てサークルや地域の会合などにも活用されてきた。イベントや習い事教室の会場にも対応できる柔軟性と割安なプランが好評。開設後は年々利用者が増えており、現在は年間3万人以上が利用する。集客はHP等で実施。ここ数年は利用者の口コミや体験等をSNSにアップすることで、新規開拓やリピーター増加に繋がっている。
秘書課の河野梨恵課長は「地下鉄御堂筋線『西中島南方』駅から1分圏内の好立地もありますが、やはり人や企業同士が気軽に集まって接点が生まれる施設が周辺になかったことは大きいでしょう。収益目的で始めたわけではありませんが、利用者増加で少しずつですが収入面でも影響が表れています。また利用者がどの様なイベントや催しに興味があるのか把握することも重要です。昨今は食や健康をテーマにした座学式のセミナーやイベントを積極的に開催しており、興味を持った個人事業主や近隣住民の参加にも繋がっています。とはいえ、誰でも集まって良い環境ではなく、『皆で施設や場を作っていく』に賛同できる人でないとトラブルも生まれます。人との繋がりを重視して、スペースの活用に反映しています」と運営方針についても語った。
西中島地区は「大阪」駅・「新大阪」駅の両エリアに近く、住居・テナント双方の賃料も値ごろ。ベンチャー企業の集積が進み、一般社団法人の「にしなかバレー」も生まれている。これら需要も拾い上げて施設の魅力に繋げていくこと、近隣に子育て世代が多いこともあり「子育てママさんの暮らしサポート」や、建築業界への学生の就職支援を目的とした「企業と学生のマッチング・就職支援」など地域の期待にどう応えていくのか、今後の展望も目下追求中とのこと。
<類ビル 物件概要>
●所在地 大阪市淀川区西中島4-3-2
●延床面積 4714.49㎡
●敷地面積 699.41㎡
●建築面積 651.07㎡
●階別面積 595.13㎡(1階~7階)
●規模構造 地上7階、RC造
●竣工年 1986年