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「宮崎野村證券ビル」の信託受益権取得 リストアセットマネジメントがAM業務受託

2022.12.12 11:01

 リストグループの連結会社リストアセットマネジメント(横浜市中区)が設立したSPC(特別目的会社)は先月末、宮崎県宮崎市に位置するオフィスビル「宮崎野村證券ビル」の信託受益権を取得。更にアセットマネジメント業務(以下、AM)を受託した。
 同ビルが所在する宮崎市は、宮崎県の県庁所在地および同県の最大都市で中核市に指定されている。数多くの観光資源を持つ商業都市で、同ビルは市内で最も繁華性の高い橘通りと、高千穂通りが交差する橘通3丁目交差点に立地。1989年5月竣工の9階建てオフィスビル。延床面積は5106・18㎡で、JR日豊本線・日南線・宮崎空港線「宮崎」駅徒歩10分に位置する。宮崎のオフィスビルとしては一等地に所在する物件として知られ、稼働状況も良好。好立地かつ今後も安定的な稼働を確保できると考え、長期保有から短期の売却まで、投資家の多様なニーズに応えられる希少性のある物件と判断し、信託受益権での取得およびAM業務の受託に至った。
 同社は現在、来年を目途に「横浜湘南リート構想(仮称)」を推し進めている。取得した「宮崎野村證券ビル」は同REITへの組み入れを予定。将来的には上場リートも視野に入れ、23年12月時点で資産規模300億円以上、25年時点では資産規模1000億円以上を目標に、今後も創業地・神奈川や東京を中心に物件の取得・運用を行っていく予定とのこと。
 同ビルの取引に関して投資営業部部長の杉山正樹氏は「宮崎に『リゾート』や『観光都市』という印象を持つ方は多く、不動産投資の観点ではホテルや商業施設を想起される方も多いと思います。当社は、そのような先入観を排除して現地を視察。対象物件が市街でも一等地に所在すること、コロナ禍でも安定的な稼働実績があることからオフィスニーズをしっかりと吸収できることを確認し、ビル取得となりました。また当社が主に取得を行ってきた東京都や神奈川県を中心としたエリアとは異なり、地域の立地や特色をしっかりと掴んだ上で、投資家のニーズにマッチすると判断した優良案件については、今後もエリアに拘らず積極的に取得活動を推進していく所存です。社会情勢の変化やマーケット状況も注視しながら、投資家のニーズに応じて提供していきます」と語った。




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