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JR「大井町」駅東口で大規模再開発 オフィス・ホテル・商業・住宅など総延床面積26万㎡
2023.03.13 11:04
JR東日本グループが、東京品川区の「大井町」駅前の再開発に本格着手する。開業は2025年を予定している。
「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」は、同駅東口の北側を再開発し、ビルや広場等を整備するもの。同駅と「しながわ中央公園」方面のエリアをつなぎ、周辺の高低差に対応した重層的な歩行者デッキも整備。東西軸のアクセス性を高め、開発街区と南側のエリアをつなぐ東急大井町線高架下に新設する通路とも接続し、まちの回遊性を高める計画。また、賑わいと交流を生み出す場として複数の広場を整備する。
「大井町」駅東口駅舎は、開発街区に直結する改札や出口の新設、コンコースの拡張などの改良を行う。また駅の北側に、バリアフリーでアクセスし、バスやタクシーなどが利用可能な交通広場を整備。
地域防災力の強化として、広域避難場所となる約4600㎡の広場、帰宅困難者約3000人の受け入れスペースを整備する。環境対策としては、一般的なビルに比べてCO2排出量を約50%削減すると共に、環境価値の調達によりカーボン・オフセットを行うことでCO2排出量実質ゼロ、CASBEE Sランクの取得及び東京都のトップレベル事業所の認定を目指す。
計画は、「A-1地区」と「A-2地区」で構成される。
「A-1地区」は、敷地面積約2万2300㎡、延床面積約25万㎡、地上26階地下3階建て、駅直結の利便性と開放的な空間を感じる複合施設を計画。約12万4000㎡のオフィスでは、高層部に基準階貸室面積約5000㎡の大規模・高品質なオフィスを整備する。また、低層部には地域住民の新しい働き方を支援するオフィスサポート機能を整備する。
低層部には、歩行者ネットワークに面して開放的なアウトモール型の商業施設を展開。シネマコンプレックスのほか、個性豊かなテナント構成により生活に彩りを与え、気持ちを豊かにする空間を目指す。
ホテル機能としては、地域住民も利用しやすいレストランやラウンジを備えた、まちに開かれた客室数285室のホテルを展開。屋上には都心の夜景や隣接する車両基地の壮観な車列も一望できるルーフトップバーを設ける。
賃貸住宅としては、都心の駅直結複合開発に住まう利便性と高層階の眺望を兼ね備えた、戸数290戸の賃貸住宅を提供。共用部には自然を感じられる開放的なエントランスやテレワークに対応したワークラウンジを設ける。
「A-2地区」には、敷地面積約7100㎡、延床面積約9100㎡、地上2階地下2階の商業施設、緑豊かで広々とした約4600㎡の広場を整備。イベントや地域活動などを通じて憩いの空間となり、災害時には広域避難場所としても機能する、同開発の象徴的な広場となる。