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IT人材「現在の給与に満足」3割 全研本社がIT人材アンケート
2023.09.18 13:40
全研本社(東京都新宿区)が実施した日本企業のIT(情報通信)エンジニアを対象としたアンケート調査によると、給与水準は「年500万以上600万円未満」との回答が最も多かった。専門知識が必要とされるITエンジニアは給与面で一定の優遇を受けているとみられる。しかし、物価高の影響もあり、「現在の給与水準に満足している」との回答は約3割にとどまった。不動産業界でもITを通じた「不動産テック」により、人手不足や生産性の改善などが求められており、IT人材の賃上げは不可避となりそうだ。
調査は全研本社が全国のITエンジニアを対象に7月28~30日に実施し、200件の回答を得た。アンケートで現在の年収を聞いたところ、最も多かったのは「500万円以上600万円未満」で22%だった。「400万円以上500万円未満」が16%、「700万円以上800万円未満」が14・5%で続いた。「1000万円以上」との回答も11%に達した。「300万円未満」は4・5%にとどまった。
一方で、「現在の給与水準に満足しているか」と質問したところ「はい」と答えたITエンジニアは31・5%。「いいえ」の44・5%を大幅に下回った。「どちらともいえない」と答えた人の比率は24%だった。
「1年前と比べて年収の変化があったか」については「いいえ」との答えが59・5%と過半数を占めた。「下がった」も7%あり、「上がった」は33・5%にとどまった。23年の春季労使交渉(春闘)での賃上げ率は30年ぶりの高水準となったが、今回のITエンジニアへのアンケートでは賃上げとなった人は少数派だった。
「賃上げを希望しているか」との質問に「はい」と答えた人は78・5%。「いいえ」は21・5%に過ぎなかった。「賃上げを希望する理由」について聞いたところ、最も多かった回答は「物価上昇に対応するため」で49%だった(複数回答)。消費者物価指数(変動の大きい生鮮食品を除く)は前年同月比で3%以上の上昇が続いており、「実質賃金の下落を防ぎたい」との考えが背景にあるとみられる。