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東京流通センター DBJ BCM格付でAランク及び「物流ビルA棟」Green Building認証で5つ星取得
2023.12.18 11:06
東京流通センター(東京都大田区、以下TRC)は、DBJ BCM格付でAランク及び、「物流ビルA棟」がDBJ Green Building認証で5つ星と、いずれも最高評価を取得した。
三菱地所グループのTRCは、1971年9月に竣工した「物流ビルA棟」の建替えプロジェクトを進めていた。新たに誕生した「物流ビルA棟」は、地上7階建ての免震構造によるマルチテナント型物流施設。延床面積は約20万2000㎡(約6万1000坪)。貸付面積は約15万5000㎡(約4万7000坪)。東京モノレール「流通センター」駅から徒歩1分に位置し、首都高速羽田線「平和島」出入口から約1km。また首都高速湾岸線「大井南」出入口から3kmと、物流施設としては駅近で通勤しやすく、都心エリアへの配送拠点として優れている。現時点で貸付可能区画は最小約144坪~最大約4000坪。同エリア最小クラスの倉庫区画を備えつつ、事業ステージに合わせて柔軟に対応可能。1階は冷凍冷蔵優先区画フロアで、2~3階は小規模区画。4~6階はレイアウトの自由度が高い大規模区画フロアである。
今回取得したDBJ BCM格付は、日本政策投資銀行(東京都千代田区)が実施する格付け。防災及び事業継続への取り組みが特に優れているとして、最高ランク(Aランク)の評価を受けた。評価ポイントは、中核施設である「物流ビルA棟」及び「B棟」への免震構造の導入等により強固なハード対策を実施。かつテナントと共同で実施する防災訓練やTRC防災ガイドブックの公表、有事に対応可能な従業員の体系的な確保等を通じて、自社及び顧客の防災力を強化している点。
さらに事業継続戦略の実現に向けて、全社的な危機管理体制を構築した上で部署ごとに精緻なリスク分析や事業影響度分析を実施している点、災害時の段階的な目標復旧時間の達成のために、業務フローごとに洗い出したボトルネックを継続的に見直し、電力や人員、資機材といった経営資源の確保等の対策を講じている点、意思決定訓練や役割に応じた個別訓練など階層別の事業継続訓練を定期的に実施し、協力会社とも連携しながら事業継続戦略の実効性を確認している点が挙げられる。
また「物流ビルA棟」はDBJ Green Building認証の5つ星を取得した。同認証制度も日本政策投資銀行が環境・社会への配慮が優れた不動産を認証する制度で、最高評価である5つ星「国内トップクラスの卓越した環境・社会への配慮がなされたビル」の認証を取得。同制度の評価ポイントはサンドイッチパネルの採用、LED照明及び共用部照明への人感センサーの設置、節水型の水栓及び便器の導入等により、省エネ・省資源に配慮している点に加え、敷地内への利便施設の集積、施設内への休憩室・屋上アメニティスペース・コンビニの設置、EV車の充電スペースの確保等により、利用者の利便性・快適性に配慮している点や、免震構造の採用、浸水リスクを考慮した1FLの設定及び特高受変電設備を2階へ設置し施設の防災性を高めている点、大田区と帰宅困難者受入協定を締結した点が評価されている。