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エスカレーター歩かせません 日立が「片側空け抑制エスカレーター」を開発
2024.01.01 15:45
日立製作所(東京都千代田区)と日立ビルシステム(東京都千代田区)が、「片側空け」を抑止する機能を搭載したエスカレーターを開発した。
エスカレーターは安全上の理由からステップ(踏み段)上で停止して利用することを前提としているが、慣習としてステップの片側を歩行用に空ける「片側空け」での利用が一般化している。
開発したエスカレーターは、照明で「片側空け」の抑止を促す。「乗り込み口LED誘導照明」、「ライザーLED照明」、「スカートガードLED照明」の3点を搭載。従来からオプションとして提供している「カバープレート埋め込みLED誘導表示器」と、乗り降り位置を知らせるコムシグナルを組み合わせることで、二列利用への誘導と安全面の注意喚起を行い、「片側空け」での利用と歩行を抑止する。
「乗り込み口LED誘導照明」は、上りエスカレーターの乗り込み口付近の水平状態のステップの踏み面に、二列で乗り込む際の立ち位置を示すLEDを照射することで、立ち位置を明示し、二列での利用を誘導する。
「ライザーLED照明」は、上りエスカレーター乗り込み口付近の水平状態から階段状になっていく位置で、ステップのライザー(蹴上げ)にLEDを照射する。段差を強調することで、歩かずに立ち止まって利用することを促す。
「スカートガードLED照明」は、エスカレーターの両脇のスカートガードにLED照明を設置し、ステップの移動スピードに合わせて照明を光らせるようにすることで、歩かずに立ち止まって利用することを促す。
2025年大阪万博の開催に合わせ、2024年度に開業する会場最寄り駅「夢洲(ゆめしま)」駅向けに開発した。万博期間中は一日約12・6万人が利用する見込みで、ホーム内の人の滞留を抑止し、スムーズかつ安全にエスカレーターを利用できる仕組みが必要となっていた。