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エリアリンク 昨年9月に10万室を突破 29年までに20万室を目指す
2024.03.11 10:43
トランクルーム「ハローストレージ」を運営するエリアリンク(東京都千代田区)は6日、2023年度の決算および2024年度の事業戦略について説明するメディアラウンドテーブルを開催した。
トランクルームを運営するストレージ事業を中心に、土地権利整備(底地)事業やその他運用サービス事業を展開している。特にハローストレージは、屋内型・屋外型の合計掲載物件数で業界1位。昨年末時点で、47都道府県で2160物件、10万1379室展開している。ストレージは屋内型と屋外型の2つがあり、更に屋内はビルイン型と建築型に分けられる。ビルインは、オフィスの空室を借りて展開。稼働率は平均85%で、利回りは約18%。都心エリアだと利回り20%にもなる。現在は空調設備やセキュリティ完備の店舗が多く、屋外型(コンテナ型)と共に、平均4カ月で運用開始が可能だ。
2023年の同社売上高は225億円。営業利益は42億円。セグメント別に見ると、ストレージは売上高の78%、営業利益では85%と大半を占める。またストレージ事業における23年12月期と前年同期比は売上6・5%増。事業利益は11・7%増。昨年9月に10万室を突破しており、10月には沖縄への初出店で47都道府県での出店を達成。土地付きストレージミニも7物件販売と好調だ。
中期経営計画では、更なる出店加速で売上も伸ばす構想だ。22年の新規出店室数は2915室。23年は5800室。24年には1万室以上を計画し、同時に利益率の改善も着実に進めて、営業利益率を早期に20%達成を目指す。2029年には現在の倍、20万室の展開を目指す。同社ではまだまだストレージビジネスの拡大及び需要増を見込んでおり、またストレージの稼働率改善にも注力する。
昨今の稼働率向上の要因としては、データ分析(人口・世帯数・所得層など)から導かれる出店戦略の精度向上。小規模物件の多店舗展開。リモートワークなどの定着を起因とした自宅整理需要。住宅面積の狭小化や住宅価格上昇の影響。PR活動による商品・サービスの認知度向上などがある。今後は独自の事業展開サイクルでスピード感のある出店を加速させていく。