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長周期地震対応尾のエレベーター制御を「丸の内ビル」に導入

2024.03.11 10:18

 揺れの周期が長い「長周期地震」を予測してエレベーターを停止するシステムが「丸の内ビル」に導入される。「長周期地震動の予測情報」を活用したエレベーター制御システムの運用は国内初という。
 導入されるのは、ミエルカ防災(東京都千代田区)が開発したシステム。従来の緊急地震速報連動型エレベーター停止システム「ユレ―マス」に、気象庁の「長周期地震動の予測情報」を連動させた。
 仕組みは、予測情報を元にユレ―マスが長周期地震動の影響を大きく受ける建物を判別して制御信号を発信、エレベーター制御と連携して、長周期地震動の到達前に最寄階に停止させる。
 三菱地所(東京都千代田区)では、ビルでのエレベーターの閉じ込め防止と長周期地震動対策の一環として、気象庁が提供する「長周期地震動の予測情報」を活用した同システムを「丸の内ビル」ほか丸の内エリアの複数のビルに今春から順次導入する予定。持続可能かつ強靭で安心・安全な街づくりのため、大規模自然災害における被害の軽減に取り組むとしている。
 高層ビルは長周期地震動と共振しやすく、長時間大きく揺れることが知られている。2011年3月の東北地方太平洋沖地震では、震源から約700km離れた大阪市内の高層ビルで、長周期地震動による破損やエレベーター閉じ込め事故が発生した。




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