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MUJI×UR団地まるごとリノベーション 大規模団地の魅力を引き出す
2024.04.08 11:08
都市再生機構(横浜市中区、UR)、良品計画のグループ企業MUJI HOUSE(東京都文京区)が開始し、千葉市、良品計画(東京都文京区)を加えた4者が連携協力しているプロジェクト「MUJI×(バイ)UR団地まるごとリノベーション」にて千葉市花見川区にある花見川団地商店街におけるリノベーションが完成した。
「商店街に人が滞留できる場づくり」を目的にアーケードの改修・商店街施設棟の外壁修繕、芝生整備、共用部の高木・ストリートファニチャー(ベンチ等屋外の公共設備)の設置を行い、地域コミュニティ形成支援のコーディネーターであるMUJI HOUSEがリノベーション設計を監修。商店街・地域住民と共に活動するノウハウが反映された。
2012年に若年層をターゲットとして開始した住戸のリノベーション。無印良品の発信力やデザイン力が反響を呼び、10年で全国1200戸を超えた。今回の花見川団地が初となる「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」のプロジェクトでは住戸だけでなく共用部のリノベーション・地域コミュニティ形成を行う。ソファー・テーブルなど洋風家具にも馴染む麻畳など都市再生機構と無印良品がこれまで住戸リノベーションのために共同開発してきたパーツ作りのノウハウを共用部にも転用し、デザイン性だけでなく汎用性の高い空間を創り出す。
花見川団地は、大規模かつ共用部が豊かで自治会・商店街の活動が活発という特徴がある。都市再生機構の中山大樹氏は「共用部が豊かで日当たりの良さや公園が魅力。団地内に商店街のほか病院や保育所もあるなど大規模団地の良さがありながら、近隣にはサイクリングコースがあるなど自然に触れられる魅力がある」と語る。今回のプロジェクトではその魅力を引き出すトライとなる。
改修前の花見川団地の課題は、住民の高齢化や買い物の多様化に伴い商店街の賑わいが減っていたこと。改修によって、商店街で買ったものを食べることができる居心地の良い滞留空間を作り出した。活動面では、商店街内の店舗によるオリジナルバーガー「商店街バーガー」の開発や参画型ワークショップや共用部での「花見川団地マルシェ」を定期開催するなど継続的な取り組みによって団地外からも訪れたくなる商店街を目指す。