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【週刊不動産経営】芝浦開発「BLUE FRONT SHIBAURA」舟運サービスの強化で都内へのアクセス向上に期待
2024.06.03 13:01
野村不動産(東京都新宿区)と東日本旅客鉄道(東京都渋谷区)は、芝浦地区で開発を進めている国家戦略特別区域計画の特定事業「芝浦プロジェクト」の街区名称を、「BLUE FRONT SHIBAURA」に決定したと発表した。
同プロジェクトは、東芝が本社を置いていた浜松町ビルディングの建替え事業として推進されているもの。区域面積4万7000㎡、延床面積55万㎡。オフィス・商業・ホテル等からなる地上43階地下3階建てのS棟、オフィス・商業・住宅等からなる地上45階地下3階のN棟の2棟で構成される。
「BLUE FRONT SHIBAURA」の開発地は都内有数の舟運ターミナル「日の出ふ頭」や「芝浦運河」と近接。船着場の整備や舟運の新航路の開拓、「浜松町」駅からの緑道整備などを通し、回遊性向上とにぎわい創出に向けた取り組みを推進していく。 船着場では、5月22日より晴海~芝浦・日の出区間を結ぶ舟運サービス「BLUE FERRY」の運行を開始している。今後は野村不動産が同プロジェクトの専用船を建造予定。芝浦運河に新設する桟橋から乗船し、浅草や豊洲市場といった観光地、大手町や日本橋などの都心部、羽田空港へのアクセスを可能とする計画だ。
S棟の上層階には日本初進出となるラグジュアリーホテルの「フェアモント東京」が入居する。チャペルやバンケットを備えるほか、ホテルサービスと一体となったクルージングの提供も予定している。
オフィスゾーンは「TOKYO WORKation」を提唱し、海や空に囲まれた東京の新しいワークスタイルを提案する。28階には共有部を充実。会議室エリアのほか、様々なインスピレーションが感じられるフレキシブル空間のラウンジエリアと協創エリア、サウナやフィットネスを設えたウエルネスエリア等、1500坪の広大なプレートを生かしたゾーニングを行う。
5月30日には記者発表会を開催。プロジェクトについて野村不動産 代表取締役社長の松尾大作氏は「芝浦プロジェクトは水辺の可能性を充分に生かしつつ、BCP対策も備えたベイエリアと都心部を結ぶ『つなぐ”まち”』。空と海の最前列です。このような特徴を踏まえて、芝浦プロジェクトの名称を定めました。芝浦が本来持っているポテンシャルが、この開発によって最大限に引き出されます」と意気込んだ。
S棟は2025年2月、N棟は2030年度の竣工を含め街区の完成を目指す。S棟は、野村不動産グループのオフィスを含めて7割の床が内定。再開発が進む浜松町駅西口地区、竹芝地区、芝浦一丁目地区の浜松町周辺三地区で連携したにぎわい創出への取り組みも強化していくとした。