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【週刊不動産経営】横浜・六角橋商店街にまちづくり会社 令和時代にあわせたまちづくり会社を目指す 多様性と持続可能な街に

2024.06.24 11:04

 横浜市神奈川区の六角橋商店街の関係者が6日、まちづくり会社「WASSSOI(わっしょい)六角橋」を立ち上げた。
 メンバーの一人、稲見明子氏に新会社設立の構想や、稲見氏が考える「まちづくり」への思いを聞いた。 
 六角橋商店街は昨年、70周年を迎えた。現在、飲食・雑貨・不動産など、約160店舗で構成されている通りは神奈川大学に行くための重要な道だ。同商店街は東急東横線「白楽」駅付近にある。昭和レトロ感が漂う商店街なのが印象的だ。 また、フィルムコミッションで同商店街がロケ地になった映画「お父さんのバックドロップ」がきっかけで「商店街プロレス」が生まれ、その後全国の商店街に拡がった。今も毎年8月に開催される。また、4月から10月の第3土曜日(8月を除く)に開催される六角橋ヤミ市も、多彩なゲスト、音楽ライブやパフォーマンスを楽しめる集客力のある人気のイベントだ。
 新会社の立ち上げに関わる人は計6名。六角橋興和会副会長の稲見明子氏が代表。 
 他連合会会長の石原孝一氏、六角橋商業協同組合理事で、商連かながわ会長の石川清貴氏、六角橋商業協同組合理事の糸井勇氏、同理事岡村正和氏、同理事山﨑太郎氏ら6人で構成。 
 新会社「WASSSOI六角橋」設立の構想は2年程前から。元々は2011年の17店舗を焼失した火災をきっかけに、商店街役員を中心に行政や専門家も加わり「まちの不燃化推進事業」の一環として「まちづくり検討会」が始まった。検討を重ねるうちに建替えには様々な壁がある事がわかる。アーケードの建替えだけでも莫大な費用がかかる。仲見世ふれあい通りの道幅は基準を満たしておらず、このままでの建替えは不可能だった。行政と一緒に「まちづくりルール」を作成、建替えのための準備も整えて来た。「個別建替えか」、「共同建替えか」、土地所有者・建物所有者・現在営業をしている店舗の事情もある。検討会だけでは限界があった。
 2022年から始まった「六角橋街育てのアレコレ談義」では、様々なまちづくりを実践されている人々を呼んで、様々な角度からの話を聞いた。参加者も毎回多く、まちづくりに関心のある人が多いのもわかった。あとは高齢化。事業継承や、今後の商店街の発展・存続を考える上で危機感を持ち、役員の担い手不足解消のためスマート事務化も進める意味でも、新たなまちづくり会社は必要だった。
 稲見氏が考えているまちづくりとは。 
 「新会社は設立したばかり。まだ具体的なことは何もはじまっていないし課題は多いが、六角橋には多くの人材がある。『人は宝』で、自然に人が集まり活動する場所をつくりたい。『どんなまちに住みたいか』『どんな暮らしがしたいか』。本来、『まちづくり』は楽しいもの。それぞれにビジョンを持ち、多様性と持続性のある事業展開をするまちづくりがしたい」。 
 稲見氏は最後にこの新会社が立ち上がることで、「『みんなのなりたい街』を反映した面白いまちづくりのきっかけになれたら良いですね」と笑顔で語った。

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