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旭化成レジ 高経年マンション再生問題に関するメディア懇談会 建物老朽化と所有者高齢化の「2つの老い」
2024.08.26 11:58
旭化成不動産レジデンス(東京都千代田区)は今月22日、高経年マンションの再生問題に関するメディア懇談会を開催した。
取り組みの背景には、マンション業界で叫ばれる建物の老朽化と所有者の高齢化の「2つの老い」がある。1990年代のマンション大量供給から30年。2022年末時点で125・7万戸ある築40年以上の分譲マンションの数は、20年後の2042年には445万戸と3・5倍以上になることが予測されている。また国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果」によれば、70歳以上の居住者の割合が25・9%であるのに対し、1984年以前のマンション居住者は55・9%。古い建物ほど高齢化が進んでおり、社会として解決を図るべき課題となっている。
基調講演では、「外部管理者方式が変える マンションの管理の未来」をテーマに弁護士の香川希理氏が登壇。今年6月、国土交通省が「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」を改訂、発表したことを受けて、改訂内容や管理方式の問題点などについて解説した。
今回のガイドライン改訂では、マンション管理士や弁護士など所有者ではない第三者によるマンション管理を「外部管理者方式」、その中でも管理業者を管理者とする「管理会社管理者方式」として用語を統一。また、昨今は理事会なしで管理業者が管理者となるケースが増えていることを受けて、「管理業者管理者方式」におけるガイドラインなども規定している。
管理業者管理者方式で懸念されていたのが利益相反。大規模修繕などの工事を行う際に、同一または関係性のある会社に高い金額で発注することが、外部管理者方式の構造的な問題となる。こうした問題点を背景に、今回のガイドラインでは外部管理者方式の留意事項を細かく記している。香川氏は「例えば適正価格1億円の修繕を発注するのに、1億5000万円で発注をしたら管理組合には5000万円の損害が生じます。もちろん区分所有者は怒るでしょう。一方で本来の価格よりも安く発注をかけてしまうと、管理会社が株主に損害を与えかねないという問題にもなります。私としては、これは外部管理者方式の構造的な問題だと感じています」と指摘する。
会の後半では、マンション建替え研究所 所長の重水丈人氏が建替えの再取得住戸に関わる実態を解説した。同氏は「マンションの建替えは検討から決定までで平均6・3年、決議までの期間は半数以上が5年以下です。マンションごとにかかる年数は異なりますが、スムーズに建替えが進むケースもあるようです」と分析。マンションの建替えが難しいというイメージを覆す結果となった。