週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

「大和西大寺」駅前に企業誘致 市有地を活用 産地学官連携拠点の設置も計画

2024.08.26 11:53

 奈良市は、近鉄「大和西大寺」駅前の市有地に、オフィスや研究機関等の誘致を計画している。
 計画では、近鉄「大和西大寺」駅北口の市有地1359・24㎡を賃貸(事業用定期借地)し、本社や支社機能、研究機関等の拠点を建設する企業を募集する。誘致する企業は、将来、奈良市を拠点に上場を目指す企業をイメージ。奈良市は企業が建設したビルの一部を賃借し、コワーキングスペースやシェアオフィス、研修室などを備えた「産地学官連携(学生交流)拠点」を設置する。
 奈良市には産業用地や駅前のオフィスビルが少なく、市は企業立地の機会を逸していると認識しているという。若者の流出も見られる。市内には7つの大学および短期大学が位置し、多くの学生が在籍する「学生のまち」であるものの、令和2年度以降、20歳代は転出超過となっており、特に大学卒業と重なる22歳からその傾向が顕著という。
 市ではこれらの現状を踏まえ、市有地を活用することで「産業振興の推進」と「20歳代における社会減の改善」を目指す。企業立地の促進・雇用の創出のほか、誘致した企業の施設内で学生交流を促進し、企業の人材確保、ならびに学生の奈良への愛着醸成に繋げる計画だ。
 今後、質問書受付や応募書類受付、プレゼンテーション審査などを経て、12月下旬に進出する企業との基本協定を締結。2026年2月に借地の事業用定期借地権設定契約に関する覚書及び借家の普通建物賃貸借契約に関する覚書を締結する予定。




週刊不動産経営編集部  YouTube