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「いちご花京院ビル」リニューアル 仙台市青葉区の築16年ビルを”心築”

2024.09.09 11:40

 いちご(東京都千代田区)は、同社グループが保有、運営してきた2008年竣工のオフィスビル「いちご花京院ビル」の大規模リニューアルを完成させた。

 「いちご花京院ビル」の立地は、宮城県仙台市青葉区花京院の駅前通り沿い。JR「仙台」駅から徒歩7分に位置する。
 建物は2008年3月の竣工。敷地面積2408・55㎡、延床面積1万1460・54㎡、S造地上14階建て。
 建物のエントランスに繋がるアプローチや周囲には、四季折々の花や宮城県の県木であるケヤキをベースにミックスされた樹木を植える。アプローチの高低差を少なくし、床材を全面的に変更、植栽に囲まれて休憩できるベンチスペースを新設した。
 ビル1階のエントランスは、吹き抜けの壁面にケヤキの木漏れ日をイメージした三角形のアルミパネルを配置、大理石調のタイルでラグジュアリー感のある空間を演出している。
 また、エントランスに設置していたテナントサインに代えて、大型LEDモニターを設置。モニターに入居テナント名を表示させ、その背景には、ビジュアルアートを映し出している。天気、気温、時刻といったインフォメーションや、災害時の緊急対策表示などの活用が可能だ。
 2階の共用ラウンジは、カフェのようなラウンジをイメージし、室内やテラスにグリーンを配置。室内には、周囲の会話が気にならないよう、サウンドマスキング効果を狙ってBGMを流している。ラウンジと喫煙室には、Web上で使用状況が事前に分かるよう、リアルタイムで認識できるセンサーを導入。さらに、ラウンジには大型液晶モニターを設置し、クラウドでコンテンツ変更が可能なシステムを導入。テナントの紹介動画を配信するなど、テナントがお互いを知るためのコミュニケーションツールとして活用することも想定している。
 その他の設備としては、10席+ベンチシートで最大20名程度が利用可能な貸会議室を備える。ガラスパーティションでラウンジと一体空間とし、利用時はワンタッチでスモークガラスへの変更が可能となる。ベンチシートはBCP収納庫としての役割もあり、防災備蓄品を収納することで災害へ備える。Web予約システムも導入した。環境認証としては、「BELS」の5つ星と、「ZEB Oriented」を取得している。
 いちごは「人々の豊かな暮らしを支える『サステナブルインフラ企業』」を目指し、「心を込めて現存不動産に新しい価値を創造する『心築(しんちく)』」を軸とした事業モデルを展開。今回のリニューアルはその一環。




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