週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

「TODA BUILDING」竣工 地上28階のオフィスビル開業は11月2日

2024.10.07 12:14

 戸田建設(東京都中央区)は、東京都中央区京橋一丁目で進めていた超高層複合ビル「TODA BUILDING(戸田ビルディング)」を竣工させた。開業は11月2日の予定。これにより2016年から開発を進めていた「京橋一丁目東地区計画」が完了した。

 京橋一丁目東地区は、同ビルと隣接する「ミュージアムタワー京橋」で構成される一都市計画二事業の大規模開発。同街区は2016年3月に「芸術・文化の拠点形成」と「地域の防災力強化」を掲げた都市再生特別地区(特区)として都市計画決定された。
 戸田建設と永坂産業(東京都中央区)は、街区名称を「京橋彩区」と名付け、2019年7月には永坂産業の「ミュージアムタワー京橋」が竣工。2020年1月には、その低層部に「アーティゾン美術館」を開館した。
 「戸田ビルディング」は、延床面積約9万4912㎡、鉄筋コンクリート造・鉄骨造(地上)鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造(地下)地上28階地下3階塔屋1階建て。
 1~6階を芸術文化施設と商業施設で構成し、ビル共用部でのオフィスワーカーと芸術文化エリア利用者の交流を意図した計画としている。また、中央通り側に広場を設けることで街に開かれたビルとし、アートへのアクセス性を高めている。
 8~27階はオフィスフロア。8~12階のオフィスは戸田建設が使用し、13~28階のオフィスはテナント企業に賃貸する。基準階面積は約2384㎡、コアから窓面まで奥行が3辺とも約18mの無柱空間。基準階の4つ角には、カフェスペース等を設けられるように給排水スペースを整備する。
 全オフィスフロアからダイレクトにアクセスできる13階には、テナント専用のビジネスサポート施設として、カフェテリア、ラウンジ、貸会議室を整備。180席のカフェテリアでは、終日カフェメニューを提供するのに加え、「健康食」に配慮したランチメニューを提供する。また、カフェテリアとつなげてパーティー利用も可能。12~20名、6室の貸会議室は、エグゼクティブミーティングにも対応した設えとしている。
 1~6階は、芸術文化施設と商業施設で構成されている。6階の「CREATIVE MUSEUM TOKYO」は、「作品」や「表現者」、さらにはそこに至る「プロセス」を大空間で体感できるミュージアム。展示室ではアニメ、音楽等のポップカルチャーや現代アートなどの展覧会を年間約4本開催。ミュージアムショップと中央通りを望むテラスには、グッズ等を提供するミュージアムカフェが隣接する。
 3階は「ギャラリーコンプレックス」。国内外のアートがオフィスビル内で鑑賞できる。1階には、アート作品に囲まれた空間の中でパンやコーヒーを楽しめるスペース「Gallery & Bakery Tokyo 8分(ギャラリーアンドベーカリートウキョウ ハップン)」がオープン。展覧会で展示される作品も購入が可能。
 1~2階の共用部では、アーティストやキュレーターが都市の風景を担う大規模な作品発表の場としてパブリックアートプログラム「APK PUBLIC」を展開する。
 災害対策としては、建物にコアウォール免震構造を採用するほか、中央通り側の広場を、災害時の帰宅困難者の一時滞在場所とし、地域の防災対応力を強化する。
 また、事業継続性、地域継続性の取り組みとしては、コージェネレーションシステムによる非常時の電力供給のほか、防災備蓄倉庫等を整備。主要設備は7階に配置し、万一の浸水リスクに備える。




週刊不動産経営編集部  YouTube