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森ビル 2025年3月期中間決算を発表 中間期として過去最高を更新
2024.12.02 12:14
66%増収、営業186%増益、経常190%増益
森ビル(東京都港区)は11月19日、2025年3月期中間決算を発表した。
まず営業収益は2087億円で前年同期比(以下同)66・6%増収、営業利益は525億円で同186・2%増益、経常利益は500億円で同190%増益。営業収益、営業利益、経常利益のいずれも中間期としては過去最高を更新している。
セグメント別の営業収益の内訳は、賃貸が1159億円で同27・9%増収、分譲は594億円で同651・9%増収、施設営業は231億円で同52・9%増収、海外は133億円で同8・3%減収となった。
常務執行役員の小坂雄一氏は賃貸と分譲の増収について、「『麻布台ヒルズ』および『虎ノ門ヒルズ ステーションタワー』の賃貸収益の反映、ならびに麻布台ヒルズの住宅分譲の販売開始が大きく数字に出ています。施設営業においては、2つのホテルが開業したことが増収に貢献しています。一方の海外事業は中国経済と為替の影響により減収している状況です」と言及した。
なお通期の業績予想については、「麻布台ヒルズ」と「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の通期稼働により、期初の想定通り、営業収益、営業利益、経常利益がいずれも過去最高を更新する見込みという。
海外展開も積極化 NYのビル持分を取得
また森ビルは先月21日、米国子会社を通じて、米国ニューヨーク市のランドマークとして知られる複合オフィスビル「One Vanderbilt Avenue(ワン・バンダービルト・アベニュー)」の所有持分の一部を取得した。
立地は「グランド・セントラル」駅と直結し、ミッドタウンの42ndストリートとバンダービルト・アベニューの角に位置する。
2020年に開業した同ビルは、敷地面積約4000㎡、延床面積約16万2000㎡、SRC造地上59階地下4階。賃貸面積約14万2000㎡のオフィス、ミシュランの星付きレストランを含む商業施設、ニューヨークの名所として賑わう全面ガラスの展望台「SUMMIT One Vanderbilt」などを擁する。建築デザインは、コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツが担当した。
森ビルでは、「『六本木ヒルズ』や『麻布台ヒルズ』、『虎ノ門ヒルズ』など、日本国内で培ってきた経験とノウハウを生かし、国境を超えて都市づくりの開発投資やコンサルティングなど、多様なプロジェクトを展開してまいります」としている。