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ugo社との警備DX推進を目的とした実証実験「ニッセイ新大阪ビル」で開始
2024.12.09 12:28
星光ビル管理(大阪市中央区)とugo(東京都千代田区)は、ロボットの活用および次世代の警備DX推進を目的とした取り組みを「ニッセイ新大阪ビル」で開始した。
両社はロボットの活用で警備業務の一部を自動化し、スタッフの負担軽減と、効率的かつ高度な監視能力を実現することを目的としている。今回は「ugo Pro」を活用した監視業務の実証実験。大阪市淀川区宮原3丁目に立地する「ニッセイ新大阪ビル」で行い、同実験の結果を他の警備業務・監視業務などにもフィードバックする。実験内容は主に4つ。1~2階のエントランスでの立哨業務では、ロボットが特定のポイントで待機し、来訪者や通行者の監視を実施する。巡回業務では1~2階を定期的に巡回し、セキュリティを強化。またエレベーターの昇降では1~2階間をスムーズに移動し、施設の安全監視をサポートする。異常検出時の一次対応では、警備員が遠隔操作で「ugo Pro」を管理。カメラ映像やアラート通知に基づく対応が可能となっており、同機能を駆使した警備・管理業務を行う。
開始の背景には、国内における労働人口の減少がある。警備分野でも慢性的な人材不足が課題となっており、特に高層ビルや大型施設における警備業務は広範囲を巡回し監視するために多大な時間と労力が必要。その一方、人材不足が顕著であるため現場スタッフ1人あたりの労働負荷が増加。業務の過重化も進んでいる。離職率も上昇し、人材不足を一層深刻化させる恐れがある。このような状況下で、効率的かつ持続可能な監視・警備体制の確立が急務とされている。
今後は共同検証の成果をもとにサービスを拡充し、他のビルへの導入も視野に入れ、警備分野だけでなく設備や清掃領域にも波及させるビルメンテナンスDXプロジェクトを推進していく。また同取り組みを通じて、持続可能な新しい警備モデルを構築し、次世代に向けた安全なビル管理を目指す。