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「東京ガーデンテラス紀尾井町」ブラックストーンへ譲渡

2024.12.23 11:42

 西武ホールディングス(東京都豊島区)は12日、子会社の西武リアルティソリューションズ(東京都豊島区)が保有する複合ビル「東京ガーデンテラス紀尾井町」を、ブラックストーン(アメリカ・ニューヨーク)が出資する特定目的会社さくら・ホールディング(東京都千代田区)に譲渡すると発表した。
 公表された譲渡額は約4000億円で、2024年11月30日時点の帳簿価額を前提とした譲渡益は約2604億円となる見通し。西武ホールディングスは2024年5月に公表した「西武グループ長期戦略2035」の重点戦略の1つである「不動産事業を核とした成長戦略」に基づく資産入れ替えを進めるとしており、今回の譲渡はその一環。
 譲渡後は西武リアルティソリューションズがオフィス・商業区画に関するプロパティマネジメント業務、西武不動産投資顧問(東京都豊島区)がアセットマネジメント業務、西武SCCAT(東京都豊島区)がホテル区画に関するビルマネジメント業務をそれぞれ受託し、引き続き運営に関わる。
 譲渡で得た資金は、主要ホテルのバリューアップ、人材への投資、自然資本や社会・関係資本などへの取り組み、株主への還元などに使用するとしている。主要ホテルのバリューアップでは、グループ長期戦略である「ホテル・レジャー事業のさらなるインバウンド需要の取り込みおよび値上げの継続」を深化させるため、ブランド価値、収益力向上を目的に品川エリアをはじめとする主要な宿泊施設に投資していく。また、株主へ長期継続的に還元することを意識し、2025年3月期の配当予想を1株当たり40円/年に増配。累進配当も継続する。
 西武ホールディングス代表取締役社長兼COO西山隆一郎氏は、ブラックストーンとの長期的かつ強固なパートナーシップに基づき、これまで以上に紀尾井町において魅力的な新たな価値を提供してくとした上で、都心エリアや西武鉄道沿線の再開発、リゾート開発のほか、新たな物件への投資を行っていく考えを示した。「東京ガーデンテラス紀尾井町」で得た街づくりや上質な空間を創出するノウハウや資金を、これらの場所で地域に寄り添った開発に活用し、地域社会の発展に貢献していく構えだ。




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