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福岡・天神に新たなランドマーク「ヒューリックスクエア福岡天神」竣工
2025.02.03 11:47
ヒューリック(東京都中央区)は先月29日、福岡市で開発を進めていた複合ビル「ヒューリックスクエア福岡天神」を竣工させたと発表した。
「ヒューリックスクエア福岡天神」の立地は福岡県福岡市中央区天神のファッションビル「イムズ」の跡地。地下鉄「天神」駅に直結し、明治通りとメルヘン通りが交差する場所に位置する。
建物は敷地面積1451・71㎡、延床面積2万682・92㎡、鉄骨造一部鉄筋コンクリート造地上19階地下3階建ての複合ビル。低層階に商業施設、中層階にオフィス、高層階にはヒューリックホテルマネジメント(東京都中央区)が運営する「ザ・ゲートホテル福岡 by HULIC」が配置される。
3~8階のオフィスは1フロア最大約210坪から最小分割約44坪まで対応可能。
地下2~地上2階の商業施設は地下鉄「天神」駅直結。入居テナントには飲食店やドラッグストア、ビジネススーツショップなど、九州初出店や天神エリア初出店を含む8店舗を取りそろえた。
10~19階は、ホテル「ザ・ゲートホテル福岡 by HULIC」。4月24日開業予定で、客室は6タイプ計171室を有する。博多湾や中洲方面を一望できるスイートルームと主力客室には、伝統文化や国際交流で賑わう福岡の「活気・活発」と商人の町として栄えた福岡の「才知・才能」を感じさせる2パターンのデザインを用意。19階には、テラス席を有するロビーラウンジやグリル料理と景色を楽しめるオールデイダイニングを設ける。
また、明治通りとメルヘン通りの交差部と地下の「天神」駅コンコースには立体広場を配置した。各交通機関と施設を立体的に結び、新たな地区ネットワークを構築する広場とする。
環境対策としては、ホテルで非FIT太陽光発電所による再エネ活用で電気由来のCO2排出を実質ゼロにするほか、低層部や中層部に約200㎡の植栽や花等を設置した空中庭園を設ける。ホテルのロビー階やオフィスのエントランスなどには九州産材の木材を使用し、地産地消の実現や森林整備への貢献とともに、CO2固定量を15t以上増加させている。
BCP対策としては、災害時に72時間非常用電力を供給可能とし、帰宅困難者一時滞在施設として3日間受け入れ可能な防災物資を備蓄する。また、建物は震度7クラスの地震が発生した場合でも人命の安全が確保でき、保有水平耐力1・5倍を有している。
開発にあたっては「天神ビッグバン」を活用。耐震性や公共空地の解放など一定基準を満たしたビルの容積などを緩和する福岡市の施策で、ヒューリックでは「天神地区に新たな空間と雇用を創出するプロジェクト『天神ビッグバン』を推進するとともに、魅力的で緑豊かなまちづくりに貢献する施設」としている。