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虎ノ門一丁目東地区市街地再開発組合事業 名称は「TOTANOGATE(トラノゲート)」に

2025.02.24 12:08

 虎ノ門一丁目東地区市街地再開発組合と参加組合員である中央日本土地建物(東京都千代田区)、都市再生機構(横浜市中区、UR都市機構)、住友不動産(東京都新宿区)の3者が推進する「虎ノ門一丁目東地区第一種市街地再開発事業」の施設名称が「TORANOGATE(トラノゲート)」に決定した。竣工予定は2027年10月31日。

 開発地は東京都港区虎ノ門。外堀通りと愛宕下通りが交わる西新橋一丁目交差点の南西角に位置し、地下道を経由して東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅に接続する。
 施設名称の「TORANOGATE(トラノゲート)」には「江戸城の門の1つであり、日本の行政の中枢を司る霞が関に隣接したオフィス街として発展を遂げてきた虎ノ門の歴史を継承し、新しい可能性を拓き、未来と世界の『玄関口』を担う存在でありたいという想いを込めた」という。虎ノ門が官民連携による国際的なビジネス交流拠点として、世界に誇れる革新的な「ゲート」に進化することを目指す。
 開発面積は約1・1ha。新築されるビルは敷地面積6397・27㎡、延床面積11万9886・17㎡、地上29階地下4階で、オフィスや店舗、ビジネス支援施設などが入る計画。
 建物のデザインコンセプトは「LIVE ARCHITECTURE」とし、「心地よいつながりを生み、閃きの起点となる『都市の居場所』をつくる」。虎ノ門が江戸の街に水を分配する要所だったことに着想して、玉川上水の「羽村取水口」とほぼ同じ標高の屋上から建物の各階へと小川のように水を流すとともに、降り注いだ雨水を施設内の植栽維持に活用する。
 屋上には奥多摩の自然を思わせる屋上庭園を構築。6~28階のオフィスフロアは基準階面積約2800㎡。働く人の便利・快適を追求したワーキングスペースを整備し、基準階のバルコニーには屋上庭園から流れる小川がせせらぎをつくる。
 2~5階のイノベーションセンターは、国や自治体などの「官」と市民・NPO・事業者・教育/研究機関などの「民」がフラットに交流・議論できる共創の場とする。虎ノ門という街の歴史と個性を生かし、社会活動と経済活動の調和のとれた社会の実現に向けた取り組みの創出・活性化を目指す。
 スマートビルの実現にも取り組み、各種データを活用した設備の自動制御やロボットによるビル管理業務の実行などを検討中。これらを支える基盤として、NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)が提供する次世代型統合ネットワーク「Passive Optical LAN(POL)」を国内のオフィスビルとして初めて導入する。運用性・拡張性のあるビル館内のネットワークシステムを構築し、インフラの長期運用や技術アップデートに備えたスマートビルへの取り組みを進める。
 地下1階~地上1階の商業エリアは、ビジネスエリアの中枢にありながら寛げる場。1階には地域を活性化する社会貢献の場としてイベントにも利用できる広場も用意するほか、地下鉄駅直結の開放的な大階段や街に開かれたパサージュも整備。地下には南北を接続する通路も設けるなど、「虎ノ門」駅周辺で行われてきた歩行空間の整備をさらに拡充させる。




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