週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

P・C・Gテクニカ 建物配管を更生「FRPライニング工法」

2025.02.24 11:26

 1964年設立のP・C・Gテクニカ(名古屋市天白区)は、ビル・マンション等の給排水管や雨水管(ルーフドレン)の更生工事(ライニング)を手掛けている。既設管の中に新たなFRP管を形成する「FRPライニング工法」で実績を伸ばしている。
 FRPライニング工法は、パイプの中にパイプをつくる工法。繊維と樹脂を用いてプラスチックの強度を向上させた「繊維強化プラスチック(FRP)」を配管内に流し込む。FRPが穴や亀裂を塞ぎつつ、配管そのものも補強。新しい配管へ取り替える更新工事と違い、壁を壊すなどの大規模工事にはならない。短時間で更生し、廃材が少ないエコと施工費の圧縮を実現する。また特許取得の特殊樹脂を使用しているため施工後の配管寿命は、通常工事の倍。およそ20年延命できる。更生と同時に延命も得られるため、今後のメンテナンスも踏まえて選択するオーナーは多い。
 昨今受注が増えている工法に「P・C・G FRPサポーター工法」がある。漏水の起きやすい箇所に、共用の立管と各専有部に供給される枝管の分岐部(継ぎ目)が挙げられる。その部分をロボット施工で、かつFRPの二重クロス施工で行う。工程は、最初に配管内を高圧洗浄機で洗浄。付着したサビ・汚れ等を落とし、時にはチェーンカッターで硬化した汚れ(スケール)を除去する。下地処理が終われば、次に立管のライニング。最上階の配管からFRPを流し込み、後にコンプレッサーで圧縮空気を供給。FRPが硬化すると、配管内に新たなFRP管が出来上がる。次は枝管分岐部のライニング。分岐部の施工に、枝管施工用のロボットと内視鏡のような管内カメラを使用する。カメラによる遠隔操作で、枝管の接続部を削孔。ロボットによる穴あけ作業が終わると、枝管内の洗浄・研磨。最後に検査・復旧・通水テストをクリアすれば、更生工事は完了となる。
 代表取締役社長の藤井要氏は「施工作業は、最上階と最下階で行います。双方の配管を一部切断し、最上階からFRPや枝管施工用のロボットを入れて作業を行います。そのほかフロアや部屋に入室することなく、騒音・粉塵なども少ない施工です。入室箇所が限られるため、テナントへの配慮にもつながります。作業は1日6~7名のグループ単位で行い、施工内容にもよりますが直径100mmの立管のライニングで約150~200万円となります。コストを気にするよりもテナントへ配慮できる施工方法と、防錆による延命効果などを気に入り、選ぶオーナーが多いです」と語った。




週刊不動産経営編集部  YouTube