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アジラとNTT東日本が提携 「MIMAMORI AI」を提供開始 AIで防犯カメラ映像の異常を検知
2025.04.01 10:58
アジラ(東京都町田市)と東日本電信電話(東京都新宿区、NTT東日本)は、クラウド上のAIが防犯カメラ映像の異常を自動検知する「ギガらくカメラ 映像解析オプション MIMAMORI AI」を3月31日より提供開始した。
NTT東日本の防犯カメラ「ギガらくカメラ」のオプションとして提供される。またNTTグループのCVCであるNTTドコモ・ベンチャーズ(東京都港区)がアジラへ出資を行うことも発表。3月21日には記者会見が行われた。
NTT東日本は2016年4月よりクラウド型防犯カメラ「ギガらくカメラ」の提供を開始。累計約14・5万台を販売している。アジラは2015年の会社設立以来、AIを活用した行動認識技術や画像解析技術の研究開発に着手。大規模施設を中心にオンプレミス型のAI警備システム「AI Security asilla」を2022年から提供している。
これまで防犯カメラの役割は事件や事故の「抑制」や、事件・事故後にデータを見返す「録画」が中心となっていた。しかし人口減少・少子高齢化による人手不足、体感治安の悪化という課題の深刻化や、無人店舗の増加や施設利用者の高齢化により「リアルタイムの異常検知」および事件・事故の未然防止のニーズが高まっている。
「MIMAMORI AI」は映像録画機能に加え、人の姿勢や動きを分析できる骨格推定方式の「行動認識AI」を用いてリアルタイムで映像解析を行う。不審・異常行動を検知・通知することが可能になるサービス。現地に「ギガらくカメラ」を設置するだけで、サービスを利用することができ、検知データはクラウドで管理される。遠隔からの監視や複数拠点の一元管理が可能となる。カメラ1台単位から導入可能なサービス設計となり、主に費用対効果の観点でオンプレミス型の異常検知サービスの導入が難しかった中小規模施設(商業、公共施設、オフィスビル等)や無人店舗等での利用を想定している。
月額利用料は、喧嘩・暴力や転倒、侵入などを検知できる「スタンダードプラン」で1カメラ装置につき1万4850円(税込、以下同)。追加検知機能として、自転車やスケボーなどの検知ができる「セキュリティ強化機能」が1カメラ装置につき月額1980円。年齢推定・性別の属性分析ができるプレビュー版の「マーケット機能」は無償で提供(正式版リリース時に有償化)。
これに加えて、「ギガらくカメラクラウドプラン」もしくは「端末セットプラン」などの月額利用料とインターネット接続サービス月額利用料、プロバイダ利用料が必要となる。初期設定工事費として1拠点グループあたり1万6500円、1カメラ装置あたり1650円が必要。