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「札幌」駅前の再開発で明暗 5社参画の「北4西3」着工、JR北の「札幌駅前再開発」は計画見直し

2025.04.01 11:23
「札幌」駅前で相次ぎ行われている再開発に新たな動きが出ている。3月24日、「北4西3地区第一種市街地再開発事業」の参加組合員各社は同事業の新築工事が着工したと発表。一方で北海道旅客鉄道(札幌市中央区、JR北海道)は3月19日、「札幌駅前再開発」の計画を見直すと発表した。
28年の竣工めざし「北4西3」が着工
平和不動産(東京都中央区)、ヨドバシホールディングス(東京都新宿区)、鹿島建設(東京都港区)、ダイビル(大阪市北区)、中央日本土地建物(東京都中央区)が参加組合員として権利者とともに進めている「北4西3地区第一種市街地再開発事業」が3月3日に着工した。竣工は2028年7月を予定している。
計画地はJR「札幌」駅南口。北5条・手稲通と札幌駅前通の交差部。店舗、駐車場などを用途とする北棟と、事務所、宿泊滞在機能、店舗、駐車場などを用途とする南棟を整備。地下鉄南北線「さっぽろ」駅改良事業と一体的に進めること地下歩行者ネットワークを強化し、交通利便性と回遊性の向上を図る。
北棟は敷地面積約5330㎡、延床面積約7万4510㎡、S造一部SRC造地上9階地下7階建て。南棟は敷地面積約5330㎡、延床面積約12万8270㎡、S造一部SRC造地上33階地下5階建て。再開発組合では「札幌都心のビジネス機能の強化や賑わい・交流を促進する都市機能の整備を行う。2028年7月の竣工を目指し、事業を推進していく」としている。
報道などによると同事業の建設費は1858億6200万円。当初より191億7100万円増えたが、増額分は事業者負担や補助金などで補うという。
「札幌駅前再開発」は費用2倍強で見直しへ
一方、建築コスト高騰などで見直しを迫られた計画もある。JR北海道は3月19日、「札幌」駅前で進めている「札幌駅前再開発」の計画を見直すと発表した。
同事業は、JR北海道グループが運営していた「札幌」駅直結の商業施設「エスタ」の跡地と札幌市の保有地を一体化した2超の用地で実施する大規模開発。新幹線開業を見据え、「札幌」駅前を北海道の新たな玄関口とするべく都市空間を整備する。
開発地は市有地の西1丁目街区と「エスタ」跡地の西2丁目街区の2街区で構成。従来の計画では、西1丁目街区にホテルやオフィス、商業施設などが入る高層棟、隣接する西2丁目街区に中層の商業施設を一体的に建設し、低層部と地上部には両棟を結ぶ歩行者動線やバスターミナルを整備するとしていた。
今回の見直しでは両街区一体の建物ではなく、建物を分割して街区ごとに段階的に整備することとし、先行して西2丁目の建設に取りかかる。
西2丁目街区には延床面積約9万㎡、地上10階地下2階のビルを建設。商業施設とバスターミナルとし、南口駅前広場と建物をつなげる駅前広場アトリウムのほか、東西歩行者ネットワーク等の交通結節機能も整備する。竣工は2030年度を目指す。
今年度は「エスタ」の解体工事を本格的に進め、西2丁目の基本設計と並行して西1丁目も含めた全体計画を取りまとめる。西1丁目は西2丁目との工事期間の重複を最小化して施工し、工事量を平準化して労務負荷の軽減を図る構想で、竣工は2034年度を目指す。
JR北海道では工事費高騰などを受けて2023年の冬から対応の検討に着手していたが、建物規模の縮小や工期延長などを反映した見積もりが当初の2倍強の約3700億円に達したことから計画を抜本的に見直すことにしたという。