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マークスライフ 空き家の「富動産化」で存在感 ”葬”と”不動産”組み合わせ全国700社と協業

2025.04.01 11:00

 2016年創業のマークスライフ(東京都中央区)は、不動産買取事業や仲介事業(売買および賃貸仲介)、不動産活用のコンサルティング事業などを展開している。昨今は全国規模で展開しているアライアンス(法人提携)で着実に実績を伸ばしている。
 マークスライフのサービスの中でも、最も長く展開され、メディアで多く取り上げられているのは、事故物件を対象としたソリューションサービス「成仏不動産」。事故物件を「嫌われる物件」から「選ばれる物件」へ再生していくため、事故後の供養や遺品整理、売却希望のオーナー・事業者からの相談や悩み等に向き合うなど、様々な課題に対応してきた。事故物件というだけで避けられるのではなく、不動産本来の価値を見出し、世の中に正しく流通させることを目指している。
 その他にも葬儀後の相続手続きや相続した不動産の売却などに協力する「葬祭事業者サポート」。空き家や事故物件といった取引されにくい「負動産」の潜在的な価値を引き出して「富動産」へ変える「富動産市場」。土地の総合診断や近隣交渉など、オーナーが保有する不動産(負動産)の治療を行う「負動産の総合病院」。成仏不動産事業や葬祭事業者向けアライアンス事業などを組み合わせた、新規プラットフォーム事業を展開している。
2019年4月から開始した「成仏不動産」は、売上全体から見るとおよそ2割。その他が8割。その中で一際不動産業界から注目を集めているのが「空き家対策」。地方に取り残された不動産、とりわけ日々の管理が難しい空き家などの管理業務を同社と提携した地方の不動産事業者と連携し対応する。同社はこれまでに全国規模で700社以上もの事業者とのつながりを持つ。ほぼ全国規模で対応でき、地域・場所によって物件のメンテナンスや管理ができないオーナーの代わりに物件管理を行う。
 代表取締役の花原浩二氏は「これまで不動産事業や物件の管理業務を担っていた方が亡くなり、葬儀後に相続された方がどうすれば良いのか判断付かず、相談してくるケースがありました。相続した不動産は『山』、『空き地』、『空き家』など様々です。当社はこれら不動産の管理業務をオーナーに代わって行います。依頼主は郊外や地方都市、遠方に持つ不動産の管理を委託するケースが多く、対応が難しい業務をアライアンス(法人提携)企業と一緒に対処します。他社が扱わない地域やサービス提供エリアの空白地域を狙って展開していきます」と語った。
 2022年11月には、横浜から現在の都内へ本社オフィスを移転。さらなる事業拡大とアクセス性向上なども視野に入れての移転となった。今後同社は空き家だけでなく、旧耐震ビルの改善提案も検討している。法人営業・法人提携をさらに進めていき、アウトプットしながら展開していく方針だ。花原氏は「アライアンス業務の強化も見据えて、大和ライフネクスト(東京都港区)の元代表取締役会長を顧問に迎えました。大和ライフネクストが管理するマンションで、亡くなった方が発生した場合に当社が対応するといった提携も進んでいます。当社が培ってきた様々なノウハウをアライアンスにも生かしていく方針です」と今後の方針について説明した。




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