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相鉄アーバンクリエイツ 1月取得の「JSプログレビル」 港湾部の希少オフィスで差別化

2025.04.07 11:27

 相鉄グループの相鉄アーバンクリエイツ(横浜市西区)は今年1月、東京都大田区の臨海部に立地する「JSプログレビル」の土地・建物に関わる信託受益権を取得。羽田空港の周辺かつ臨海部では初の収益物件取得となった。
 今回取得した「JSプログレビル」は、京急本線「平和島」駅から徒歩10分、東京モノレール羽田空港線「流通センター」駅から徒歩11分に位置するオフィスビル。1993年4月竣工の地上11階地下1階建て。延床面積は1万7868・72㎡。敷地面積は5480・28㎡と、同地でも大型のテナントビルに該当する。
 取得の経緯は、同物件の売却情報を入手したところ、相鉄アーバンクリエイツの投資戦略に合致する案件であったこと。また羽田空港や大井ふ頭、周辺には首都高速神奈川1号横羽線や湾岸線、環状七号線、第一京浜道路(国道15号)など、主要な幹線道路網が近接しており、大田市場などの施設も近い。流通・物流事業の中心的なエリアに建ち、今後の同物件のポテンシャルをより一層拡大していけると考えて取得に至った。
 さらに同ビルは152台分の駐車場を擁する。車を利用する営業拠点としての需要や、都心より家賃負担の少ないバックオフィスとしての需要にも対応可能だ。都心近接の流通業務地区において、特に流通・物流事業が盛んな平和島エリアで希少なオフィスビルとなっていることから、今後も継続して高い稼働率が予想される。ちなみに現在の稼働率は100%。現時点で改修など具体的に決まっているものはないが、魅力のあるビルとなるように模索し、より良い環境の維持に努める姿勢だ。
 また相鉄アーバンクリエイツとしては「不動産事業の抜本的な強化」も推し進めていく。都心相互直通運転を契機に、これまで東京都心部でのオフィスビル取得を中心に活動していたが、今後は都心部のオフィスビルに限らず取得基準に合致する案件については商業(郊外型)、物流、エクイティ投資なども含めて取得検討を継続的に実施していく。取得の機会につなげ、不動産事業の抜本的な強化や事業領域も拡大していく方針だ。




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