不動産トピックス

快刀乱麻

1997.07.01 14:17

▼7月1日、155年ぶりに中国へ返還されることとなった香港。第一次アヘン戦争で、1842年に中国から英国に割譲された香港は、歴史の波に翻弄されながら母国へ帰ることとなった。▼これまで香港は、自由港として金融・ビジネスの集積地としての顔をもつ一方、観光スポットとしても人気を呼び、高度な経済発展を遂げて来た。その為、中国に返還が決定した当初は、海外への移住者が相次いだ。特に、香港ビジネスで成功を収めた若きエリート達の流出は顕著。彼らは、中国共産主義への危惧がさぞかし大きいのだろう。▼今後は、一国の中に二制度を有する、外交と国防を除き、現行制度を維持する”地域国家”として香港は生まれ変わる。▼英国の植民地としての香港は終わりを告げ、中国の特別行政区として衣替えする香港。今後は、はたしてどういった変化をするかは、いまだ未知の状況と言えるだろう。しかし、自由の空気を謳歌できるエリアであってほしいとの願いは一致するところだ。▼一方、バブルの後遺症から抜け出せずにいる我が国はと言えば、負の遺産が足かせとなり重い足どり。特に不動産業界には、カンフル剤を必要としている。規制緩和など多少の変化では、香港のような劇的な変革をもたらせない。妙策が待たれる。




週刊不動産経営編集部  YouTube