不動産トピックス

クローズアップ 省エネ編

2005.03.28 09:25

日立プラント建設 空調省エネ最適化制御システム1号機を納入 熟練管理士のノウハウを代替 約20%の消費電力削減見込む
 日立プラント建設(東京都千代田区)は、空調システム全体の最適化制御を行う「空調省エネ最適化制御システム「OHSave(オーセイバー)」を開発、1号機を大手デベロッパーが所有するビル(神奈川県横浜市)のリニューアルに適用・納入した。
 今回のリニューアルは、空調設備機器の運転情報を収集・分析してエネルギー管理を行うBEMSに、本システムを付加し導入したもの。本システムのほか高効率熱源機器、高効率照明などの採用により、リニューアル前に比べて消費エネルギーの20%以上削減を見込んでおり、NEDOの住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業としても採択されている。
 従来の空調システムでは、自動制御設備で温度等がほぼ一定に設定され、エネルギー投入量等が調整されていた。しかしそれらの自動制御設備は冷凍機や空調機等、各機器単位で行っており、空調システム全体の総エネルギー量は考慮されていない。そこで、熟練したオペレーターが、経験やノウハウにより各機器の能力と消費エネルギーのベストミックスを判断し、制御しているケースがほとんどであった。オーセイバーは、こうした熟練オペレーターの機能を代替するシステムで、同社が日立製作所・機械研究所の協力を得て2002年に開発、自社ビルでの2年半にわたる実証運転を経て、今回納入したもの。同社では、5年後に約50億の受注を目指す。

高砂熱学工業 新大空間空調システム販売開始 旋回を与えた新鮮空気が省エネ・快適環境を実現
 高砂熱学工業(東京都千代田区)は、天井の高い大空間の低い位置から、旋回を与えた新鮮な空気を供給し、作業域・居住域のみを快適に保つ新大空間空調システム「SWIT」を開発した。
 冷房時には旋回する冷風が周囲の空気を誘引することで風量を増加させ、作業域・居住域のすみずみまで新鮮な空気がゆっくりと行き渡る仕組み。また汚れた暖かい空気は上部に押し出されて天井の排気口から室外に排出されるため、清浄さも保たれる。
 一方で暖房時には、足元に滞留する冷気を旋回する温風に誘引させて、室内全体の対流を促進。少ない風量、かつ作業域・居住域に近い吹出し温度で運転できるため、省エネルギーと省コストを図りつつ、快適環境を保てるシステムである。
 従来型の大空間空調では天井から吹き出す混合空調方式が一般的であったが、作業域・居住域のみならず空間全体を空調するために非効率であり、送風が当たる部分のドラフト不快感、汚染された空気の拡散などの課題があった。
 同社はこのシステムを、千代田区立総合体育館、アイシン・エィ・ダブリュものづくりセンター(愛知県安城市)に先行納入し今月より全国で本格的に販売を開始した。工場・体育館や展示場・ホール、商業ビルなどの大空間を中心に、新年度50億円の受注を目指す。

きんでん リニューアル向けのBA 低コストで遠隔監視実現 汎用性高いビル監視制御システム開発
 きんでん(大阪府大阪市)は、あらゆるOSやハードウェア、ネットワーク環境に対応し、インターネットやモバイル環境にも容易に接続可能なビル監視制御システムである、マルチプラットフォーム監視システム「A&AECOCA」を開発した。
 従来の主力ビル監視制御システム「A&A」や工場制御システム「FACIAS」に加え、計装技術のメニューを充実させることで、中・大規模の事務所ビル、病院、学校、ホテル、商業施設等にたいして最適なシステムを提供する。
 システム開発は全てOSを選ばないプログラミング言語「Javaアプリケーション」を採用したことから、監視制御システム内にどのような製品でも組み込むことが可能。例えば10年以上の長期間運用が要求されるビル監視制御システムにおいて、ハードウェアやシステム環境等を更新する際に、余分な更新費用が発生しない。また、Webブラウザ(インターネットの閲覧ソフト)を通じて、建物の遠隔監視や群監視など、従来の中央監視設備では制約の多かったサービスが安易に低コストで実現できる。
 同社では、このシステムをメーカーの制約などにより仕様が限定されていたビルなどに向けて提案していく。初年度は、20件程度のシステム導入を目指す。




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