不動産トピックス
ビルオーナー伝言板
2005.05.23 11:22
★安売りに疑問
板橋区ときわ台駅前にビルを所有する江川徹正氏は、昨今の低価格競争に眉をひそめる。商品やサービス、ビルの施工請負にいたるまでいい仕事をするためにはそれなりの報酬を得なければ難しいと考える。ドラッグストアなどに見られるあまりの安売りは、経営者だけがメリットを享受している様に感じるという。同氏はビルの改修の際にもいくつか見積りを取ったが、その中で一番高い見積りを出した業者を選択したそうだ。
★方針転換
渋谷区代々木でビルを経営する梅村昇氏は、ビル周辺の風景に違和感を持つそうだ。というのは周辺に高層分譲マンションが建ち並ぶが、夜になるとほとんど明かりが灯らないからだ。分譲マンションを購入しても実際にそこでは生活せず、ペイオフ対策などで資産として保有しているだけだろうというのが同氏の推測であるが、それにしても何のためにマンションを建設しているのか疑問を感じることも多いそうだ。開発者側にもそういった疑問があるのか、同氏の向かいの敷地では当初マンション建設予定だったのが、近頃ホテルの建設へと方針転換され工事をやり直しているとのこと。
★患者のために
美容クリニックの経営を本業とし、新宿に2棟のビルを所有する甲藤明徳氏。同氏は所有ビルの最上階でクリニックを営んでいるが、ビル購入時の絶対条件は駅から近いことだったそうだ。同氏の患者は全国から訪れる人も多く、駅から遠いとクリニックへの道がわかりづらいからだという。最寄り駅を新大久保としたのは物件が都内の割には安かったこともあるが、全国的に有名な新宿駅の隣であることが大きかったようだ。
★掃除は日課
東京メトロ半蔵門駅前にビルを所有する古村和夫氏は朝、夕の一日2回、ビルの前で掃き掃除をすることが日課となっている。もともとは1階店舗で自営店舗を運営していた時からの習慣だが、賃貸するようになってからも変わらずに続けている。入居テナントにビルを清潔に使ってもらうために、美化を心がけている姿をテナント鬼アピールしていきたいとう気持ちもあるそうだ。
★変わり行く街
銀座・赤坂・六本木・新橋にビルを所有する乗鞍代表取締役の風間雄太郎氏は事務所を構える赤坂の街並みの変化について寂しがる。政治家が料亭に集まり闊歩していた姿はもう見られず、増えたのはパチンコ店に集まる若者、中高年。街は変わり行くものだと実感している。
★安い賃料でも
大阪市中央区でビルを経営しているラジャン・ケマニ氏。インド人である同氏は母国とのパイプを活かして、インドからアパレル関連のベンチャー企業を所有ビルに誘致している。ビルの空室が解消されるのはいいが、母国から若い起業家が同氏を頼って海を渡ってくるため、安い賃料で貸さざるを得ないのが悩みだとか。