不動産トピックス

ビルオーナー伝言板

2005.08.22 17:08

★テナントの選び方
中華街のフードテーマパーク・横浜大世界の専務取締役平野均氏は、年に何度か中国に訪れ現地で評判の店をスカウトしてくる。そのポイントは平均的に美味しい料理を出す店というよりも、何か1品がおいしいと評判の店を見つけることだという。フードテーマパークの場合、食べ歩きの楽しさを演出する必要があり、餃子の店、チャーハンの店というように料理の品目ごとに店が構成されているからだ。まさに「美味しいとこ取り」をしてくるのが、フードテーマパークのテナント選びのコツである。

★ビルの将来
新宿区大久保でビルを経営する金原猛児氏の心配事は、ビルの改修である。築30年以上経過するビルは10年前に外壁改修などを行ったが、将来息子にビルを相続した頃にはまた回収せざるを得ないことは目に見えている。その時には築年数がさらに経過しているため、より大規模な改修をする必要があると予想されるが自己資金だけでは費用を用意するのは難しい。銀行が融資に応じるかも未知数なため、将来のビルの行く末を思うと不安になるそうだ。

★ビルとホテルの相乗効果
日新ビル、ホテルサンオォクスを運営する澤井興産。常務取締役の澤井隆彰氏は、ビルとホテルの相乗効果を狙うサービスを考案した。それは朝食券サービスで、テナントにホテルの朝食券を配布し同ビルに入居していることのメリットを感じてもらうと同時に、ホテルへ足を運んでもらうことでホテルの利用促進につなげるというもの。ホテルの料理の味には自身があるそうで、とにかく一度訪れてもらいたいとのこと。現在のところ、利用者には好評であるとか。

★闇金業者の見分け方
千代田区神田でビルを経営し、不動産仲介業を営む大原不動産。神田エリアには金融会社が多いのが1つの特徴だが、中には非合法金利を課す闇金融もある。ビルオーナーにとってはあまり入居させたくないテナントであるが、昨今は一般の会社と偽って契約交渉を行うこともあり見分けるのは難しいそうだ。同社副社長の大原正則氏は、入居希望者の車に注目しているという。一概には言えないが、高級外車や大阪ナンバーの車などで訪れる人は闇金業者である可能性が比較的高いとのこと。ただし彼らの入居はビルのイメージは悪くなるが、賃料は高く長くても2年で退去することが多いという。摘発を恐れて事務所と転々とするからだ。

★ビル経営を念頭に
千代田区九段でビルを経営する野澤純一氏は元々銀行勤めをしていたが、先代の急死にともなってビル経営を引き継いだ。突然のことだったが、幼い頃から先代が帳簿をつけるのを手伝っていたり、ビル経営の現場を見てきたのでさほど問題はなかったそうだ。銀行に入行したのも将来的にビル経営を引きつぐことを予期した上での決断だったようだ。




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