不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2005.11.07 15:32

日本レジデンシャル投資法人 7物件の取得価格総額は約76億円 東京・千葉・大阪・京都の共同住宅等新規取得を発表
 日本レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は7物件を新規取得する。
 今回取得する「ルート麻布十番」は東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番」駅徒歩1分に位置する平成11年1月竣工、延床面積2362・15㎡の共同住宅・店舗で、取得価格は22億2000万円。「メゾン八千代台」は、京成本線「八千代台」駅徒歩4分に位置する平成1年8月竣工、延床面積4487・42㎡の事務所・共同で、取得価格は12億8100万円。「アブレスト葛西」は、東京メトロ東西線「葛西」駅徒歩19分に位置する、平成12年1月竣工、延床面積2272・70㎡の共同住宅で、取得価格は8億700万円。「メロディハイム新大阪」は、JR東海道本線「東淀川」駅徒歩4分に位置する平成6年4月竣工、延床面積3286・30㎡の事務所・共同住宅で、取得価格は9億5640万円。「メロディハイム松原」は、京都市営地下鉄烏丸線「四条」駅徒歩7分に位置する平成6年3月竣工、延床面積2426・09㎡の共同住宅・事務所で、取得価格は6億4300万円。「パシフィックレジデンス太秦」は、JR山陰本線「太秦」駅徒歩7分に位置する、平成12年1月竣工、延床面積3606・17㎡の共同住宅で、取得価格は9億5880万円。「コスモ西船橋」は、JR総武線「西船橋」駅徒歩13分に位置する平成4年3月竣工、延床面積1646・79㎡の共同住宅で取得価格は7億9950万円となっている。

<外資系投資会社の戦略>マッコーリー・グローバル・プロパティ・アドバイザーズ 池袋・亀戸の物件投資総額は約247億円 ファンドⅠで総額約3503億円相当の投資 Ⅱ号ファンドの投資はアジアに重点
 「不動産に精通したスタッフの情報ネットワークを活かした物件取得・運営能力が当社の強みです」
 マッコーリー・グローバル・プロパティ・アドバイザーズ日本事務所代表の重政重明氏はそう語る。
 同社はバミューダに本社を構え、香港、韓国、日本、中国、フランス、ポルトガル、スペイン、英国、ベルギー、ルクセンブルク、ドイツにて、不動産投資を行っている私募不動産ファンド運用会社である。Ⅰ号ファンドでは約3503億円の投資を行った。
 9月下旬には、JR「池袋」駅徒歩3分に位置する2007年上旬完成予定の地上32階建て、延床面積2万7000㎡の高層マンション、そしてJR「亀戸」駅徒歩4分に位置する1989年竣工、地上10階建て、延床面積8830㎡のオフィスビルを2物件総額約247億円で取得するなど、順調にポートフォリオを拡大中だ。
 取得した2物件はアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの機関投資家を中心に約1469億円の資金を調達し、既に募集が終了している「マッコーリー・グローバル・プロパティ・ファンド(MGPファンド)Ⅱ」用の運用資産。池袋の物件は開発マネジメント及び賃貸マネジメントを実施し、亀戸の物件はバリューアップ後売却という方針となっている。
 「MGPファンドはアジアで運用する不動産ファンド『MGPアジアファンド』と欧州で運用する『MGPヨーロッパファンド』で構成されますが、3分の2がアジアでの投資となります」(重政氏)
 対象エリアは東京都内を中心に全国、そして規模は中型以上の物件が投資の中心となるとなる。これまで、オフィスビルが中心であったが、今回池袋の高層マンションを取得したことからもわかるように、商業店舗、興業不動産、物流施設などへの投資も展開していくという。
 「現在の市場は、利回りが低下傾向にあるといわれていますが、マクロ的に見れば、豊富なビジネスチャンスに恵まれている優良なマーケットだと認識しています」(重政氏)
 日本リテールファンド投資法人 京都ファミリーを53億4000万円で取得 京都外国語大学の隣接敷地に位置する昭和57年11月竣工の大型商業施設
 日本リテールファンド投資法人(東京都千代田区)は、京都ファミリーを取得すると発表した。
 同物件は、京都府京都市左京区の、隣接敷地には京都外国語大学、周辺にはマンションや住宅、商業系施設が立ち並ぶ地域に立地する昭和57年11月竣工、地下1階、地上4階建、延床面積、本棟3万4307・69㎡、駐車場棟9984・75からなる商業施設である。
 平成16年6月に地域密着型のショッピングセンターとして、リニューアル工事を実施。現在、1階から3階までを売場としており、ジャスコを核テナント約70店の専門店が入居し、3階にはスイミングプールも設置されている。併設の立体駐車場と平面駐車場にて施設全体で約700台の車を収容できるなど、ポートフォリオ全体の収益性及び資産価値の向上に資すると判断し、投資を行うこととなった。
 なお、稼働率は98・90%、年間賃料は10億5685万2000円。物件取得先は、ダイヤモンドファミリー(大阪府大阪市)で、取得価格は53億4000万円となっている。

<外資系投資会社動向>ラサールインベストメントマネジメント(仮称)住之江物流センターの建設を開始 平成18年の竣工を目指す
 ラサールインベストメントマネジメント(東京都千代田区)は、國光製鋼の工場跡地に(仮称)住之江物流センターの建設を開始した。
 計画地は、同社が組成したSPC「住之江プロパティー特定目的会社」を通じて取得したもの。竹中工務店の設計・施工で、地上4階建て、延床面積14万525・83㎡からなるマルチテナント型の物流施設を建設する計画で、平成18年11月の竣工を目指す。
 同社の物流施設投資部門の最高責任者であり投資執行役員の中嶋康雄氏によると今回の案件については「住之江物流センターは、関西の物流のベストロケーションに位置しています。大阪港に程近く、阪神高速湾岸線・境線のインターチェンジにも至近で、関西の物流の要衝といった立地条件を満たしています。またバス・地下鉄などの公共交通機関へのアクセスも良いことから作業スタッフの確保にも好立地であるといえます。建物は各階にトラックが着車でき、各階とも約3万㎡という大きなフロア面積を有するため、大変効率の良い物流オペレーションが期待できます」という。
 同社が運用するラサール日本ロジスティクスファンドには、昨年11月に着工した物件と2005年6月着工の第二号物件が組み込まれているが、今回の物件も同ファンドの投資物件となる。

フロンティア不動産投資法人 サミット新滝野川店の取得価格は29億円 平成18年9月竣工予定20年間の定期借家契約
 フロンティア不動産投資法人(東京都港区)は、「(仮称)サミット新滝野川店」を取得すると発表した。同物件は、JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」西方約700mに位置する平成18年9月竣工予定の地上4階・地下2階建て、延床面積6407・21㎡の店舗・駐車場複合ビルである首都圏を地盤とするサミットがスーパーマーケットとして出店する予定で、地上2階から4階は合計46台の駐車場施設としての利用が予定されている交。差点の角地という視認性の高さと道路アクセスにも優れ、商業施設として望ましい立地であり、また0・5圏で約1・5万人、1圏で約5・6万人、2圏では約23・9万人と高い商圏人口を有しており、スーパーマーケット等の最寄品を扱う業態にとって適していることなどを取得にあたり評価した。なお、サミットとは20年間の定期建物賃貸借契約を結び、年間賃料は1億9848万円。物件取得先は、日本たばこ産業(東京都港区)で取得価格は29億円だ。

<新規上場>阪急リート投資法人 阪急電鉄グループの情報力を活用「 関西圏」へ重点的な投資を行う
 阪急リート投資法人(大阪府大阪市)が、東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場した。
 投資対象は、「商業用途又は事務所用途の区画を有する不動産」。なかでも阪急電鉄グループの持つ不動産事業における企画・運営能力が活用でき、収益の維持・向上が期待できる「商業用途区画」への投資に重点を置く。エリアは、「全国」を対象とし、中でも、阪急電鉄グループの地域に根ざした情報力、ネットワークを活用できる「関西圏」に重点的に投資を行う。成長戦略については、独自のネットワークと阪急電鉄グループの情報収集能力を活用して、不動産の売却に関する情報を広く収集。阪急電鉄グループに対する優先交渉権を活用するとともに、建物全体だけでなくフロアや区画毎の利用形態にまで着目した「区画の用途特性に応じた運営」の最適化を目指す。
 11月15日に取得予定の上六Fビルディングなど、取得予定のものを含め、HEPファイブ、北野阪急ビル、デュー阪急山田、高槻城西ショッピングセンター、と現時点でのポートフォリオは全て大阪府の物件である。




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