不動産トピックス

商業ビル最前線

2005.11.14 11:33

<SC会社インタビュー>東急マーチャンダイジングアンドマネージメント 来年3月に地上4階建ての新施設オープン 南カリフォルニア風のオープンモール 4年間で約70%の店舗を入替え活性化
-グランベリーモールの概要は。
杵屋 平成12年4月にオープンした当施設は、約8万7000の敷地を活かした、オープンモール型のショッピングセンターです。東急田園都市線沿線を中心とした1100万人の商圏がありますが、商圏内の平均所得が全国の平均所得より40%高く、また、海外赴任・旅行経験を持つ人が多いことが1つの特徴です。ニューファミリー層をターゲットに、南カリフォルニアのものをイメージした外観・装飾・店舗構成となっています。
-3年連続業績がアップしていますね。
杵屋 今期上半期の売上81億円は、前年対比101・8%です。要因の1つは、オープンモールというハードの強みと、飽きさせない店舗構成と考えています。4年間で約70%の店舗を入れ替え、テイストとしてGMSでも百貨店でもないその中間の、カジュアルなお店を揃えています。家庭、職場学校に次ぐサードプレイスとしての認知が浸透しているのではないでしょうか。
-来年3月に新施設もオープンしますね。
杵屋 地上4階建て、延床面積約2万㎡の施設を増設します。1階が物販・飲食、2、3階が「109シネマズ」のシネコン、4階・屋上が258台入る駐車場となります。少子・晩婚化など家族のあり方が変わっている中で、自分消費が増えてきています。女性が一人でも入りやすいようなカフェや、ファッション雑貨店を入居させ、施設全体のポジションを上げていく狙いです。

<NEWオープン1>ユニー 緑区長津田に延床6万3064㎡の大型施設誕生 隣接地に大型分譲マンション 販売・集客の相乗効果に期待
 アピタ、ユニーなどのショッピングセンターを展開するユニーは、11月18日、横浜市緑区に『アピタ長津田』をオープンさせる。
 当日はオープニングセレモニーを8時30分より行う予定で、開店4日間は午前9時開店となる。同施設は地下1階地上3階建て、敷地面積3万8304㎡、延床面積6万3064㎡の規模で、1、2階を売り場とし、地下1階、3階、屋上は駐車場となっている。駐車場の収容台数は1550台。
 店舗構成について、店長の横溝敦史氏は話す。
 「日常必需品はもちろん、ヤング、ニューファミリー層をターゲットにしたアパレル、雑貨なども強化しています。また、6m幅の広いコンコースの両脇に、ファッションからバラエティ・レジャー系専門店、飲食専門店を効果的に配置し、見た目にも楽しいショッピングゾーンとなっています」
 レディス・雑貨「grove」、ベビー・キッズ用品「チッカチッカブーンブーン」、オムレツレストラン「ラケル」など、バラエティに富んだ60店が軒をつらねる。その他、アピタとしても生鮮食品などを販売する。
 商圏は、横浜市緑区全域・青葉区・旭区、町田市の一部の人口約32万8000人、世帯数13万世帯を見込んでいる。
 最大の強みは道路を挟んだ隣接地に、来年1月、敷地面積3万1000㎡、全5棟499戸数の分譲マンション「プリマシティ長津田みなみ台」がオープンすることだ。同施設にとって安定したマーケットとなり、プリマシティ側にとっても『アピタ長津田』が物件の付加価値となっているようだ。
 なお、同施設のオープンにより、ユニーの店舗数は161店、神奈川県内では11店、アピタタイプの施設は83店目となる。

<NEWオープン2>マミーマート JR南柏駅前に商業ビル2棟が開店 駅東口から上空通路で直結
 首都圏を中心にスパーマーケットを展開するマミーマートは、9、11日、JR南柏駅東口に商業ビル2棟を相次いでオープンさせた。
 ビル名は「フィールズ1」、「フィールズ2」。11日にオープンした地上5階建て、延床面積7800㎡の「フィールズ1」は、南柏駅駅舎と、長さ72メートルの上空通路で結ばれる。テナントには、薬局チェーンのマツモトキヨシや書店、飲食店などが入居する。
 9日にオープンした地上6階建て2万5700㎡「フィールズ2」は、「フィールズ1」ともデッキでつながれ、さらに4階部分に空中通路が設けられている。2には、マミーマート南柏店が開店し、ベビー用品のアカチャンホンポなどが入居する。また、360台収容可能な駐車場も完備されている。

<scニュース>ヴィジュアル・ジャパ ン新年のニューヨークツアーを主催
 商業施設開発を行うヴィジュアル・ジャパンは、「米国最先端の商業施設開発と物販・飲食ビジネス視察ツアー」を主催する。
 「『ニューイヤー・イン・ニューヨーク』をテーマに、1年で最も過熱する流通戦争の現場を体感しにいきます。また、最高級のディナーを食べ、ブロードウェイでミュージカルの鑑賞も行います」(井戸氏)
 同社関連会社ヴィジュアル総研取締役社長吉田育ノ進氏が同行し、世界最大級のアウトレットモール『ウッドベリーコモンズ』や、高級オーガニックスーパー『ホールフーズ』などを案内する。
 期間は来年1月14日(土)〜19日(木)で4泊6日、ニューヨークでの滞在となる。
 なお、参加費は38万円で、募集締切は、12月9日までとなっている。

日本郵政公社 ぱるるプラザ4棟の営業停止を決定
 日本郵政公社は、地域文化活動を支援する目的で建設された商業ビル『ぱるるプラザ』全国計6棟のうち、4棟(青森、町田、岐阜、山口)の営業を、来年10月に停止する方針を固めた。収益減少が要因である。
 平成12年にオープンした『ぱるるプラザ町田』は、平成14年度から収益が減少し、平成16年度には、収入約5億123万円に対し、支出4億9998万円、収支率はわずか100・3%となっていた。同公社広報部関澤良仁氏は同ビルについて話す。
 「営業停止後は売却しますが、解体はせずに売却先にて営業を継続させていただきたいと考えています。現在数社から引き合いが来ています」

<話題の店舗開発 MARIE編>店内に毎月ビンテージカーを展示 内装にこだわったイタリアンレストランがオープン
 マリー写真館は、今月3日、JR・小田急「町田」駅前にイタリアンレストラン「MARIE」をオープンさせた。同社代表取締役の小嶋聡氏は、店の特徴を話す。
 「化学調味料を使わない南イタリアの本場の味と、現地の伝統的なレストランをイメージした内装にこだわりました」
 80席あるテーブルは、材木屋から買い付けて、小嶋氏が自ら組み立てたものだ。板にはあえて釘で傷をつけて、オールドファッションの美学を表現した。また、床のタイルも同様に傷や汚れを付着させた。
 同氏はイタリアの名車アルファロメオに魅せられて以来、自動車とイタリアの大ファン。店内には毎月ヴィンテージカーを展示する予定だ。
 「オープンした今月は、イタリアの名車『バンディーニ』を展示しています」
 同社は元々、写真館を営んでいた。昨年に業績の悪化と将来性を考え、店を廃業しテナントビルへと改装。昭和47年の竣工時に造作されたビル前面の丸い窓はカメラのレンズ、波打つ外壁はカメラの蛇腹を表現したものだ。
 1階店舗に同社のレストランがオープンする他、近日中に1、2階に小田急不動産が入居することが決定している。

商店街だより X’マスイベントで一商店街一国運動
 心斎橋商店街振興組合では、『ブリヤン・ドゥ・心斎橋』と題して、今月18日から来月25日まで、クリスマスイルミネーションを施し、ライブや抽選会などのイベントを行う。心斎橋筋商店街アーケード内に設置されるイルミネーションは、本場フランス直輸入のライトを使用。午前10時から午後11時まで点灯させる。大丸心斎橋店心斎橋筋側軒下では、フランス・パリ3泊5日のペアチケットが当たる抽選会が催される。また、来月23日にはそごう劇場にて、有名ソムリエ田崎真也氏を迎えて『ワインの楽しみ方』と題したトークショーを行う。同振興組合理事長で商業ビルを経営する鶴田武比古氏は話す。
 「このイベントは商店街が1つの応援国を決め、その国の文化紹介を行う一商店街一国運動の一環です。期間中は、心斎橋がフランス色に染まります。大人の街心斎橋のイメージでに沿うイベントでしょう」




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