不動産トピックス
過熱する投資市場の現場から
2005.12.05 15:45
野村不動産オフィスファンド投資法人 4物件の取得価格総額は270億円「 東京・大阪・仙台・広島の事務所・店舗複合ビル取得
野村不動産オフィスファンド投資法人(東京都新宿区)は、「西新宿昭和ビル」「仙台長和ビル」「大阪長和ビル」「広島長和ビル」「の信託受益権を取得した。
「西新宿昭和ビル」は、JR線「新宿」駅から徒歩3分に位置する昭和57年4月竣工、地上11階・地下2階建て、延床面積5858・26㎡の事務所・店舗複合ビルで、ジョフィ西新宿(東京都新宿区)より、同物件の地下1階・1階・2階・5階の1部並びに、4階・6階〜11階の部分を88億円で取得。「仙台長和ビル」は、JR線「仙台」駅より徒歩8分に位置する昭和43年7月竣工、地上11階・地下2階建て、延床面積1万2977・45㎡の事務所店舗複合ビルで、ジェイ・エヌ・インベストメント(東京都新宿区)より、32億円で取得。「大阪長和ビル」は、大阪市営地下鉄御堂筋線・中央線・四つ橋線「本町」駅徒歩2分に位置する、昭和49年4月竣工、地上10階・地下1階建て、延床面積2万1007・98㎡の事務所・店舗複合ビルで、ジェイ・エヌ・インベストメントより、129億円で取得。「広島長和ビル」は、広島電鉄「立町」駅徒歩1分に位置する、昭和41年11月竣工、地上12階・地下1階建て、延床面積8306・91㎡の事務所・店舗複合ビルで、ジェイ・エヌ・インベストメントより、21億円で取得した。
なおPMについては、仙台長和ビルを第一ビルディングに、残り3物件については、同投資法人の利害関係人等にあたる野村不動産に委託する。
<データで見る投資市場>ニッセイ基礎研究所 取引に対する警戒感薄れる傾向に 来るべき調整局面に投資家の注目集まる
「現時点で、ハードランディング(突然大きな調整が起きること)となるか、ソフトランディング(小刻みな調整が繰り返されること)となるかは、判断できませんが、不動産投資市場が近い将来調整局面を迎えることは確かだと思います」
こう話すのは、大手シンクタンク、ニッセイ基礎研究所上席主任研究員の松村徹氏である。
ニッセイ基礎研究所は、10月に、不動産・建設、金融・保険、仲介、不動産管理、不動産ファンド、格付け、投資顧問・コンサルタントなどを対象に不動産取引の現状についてアンケート調査を行った。
同調査において、「理解を超える価格での取引が増加(45・0%)」を「高値だが適正範囲(46。3%)」がわずかながら上回った点が、興味深い回答として、まず挙げられる。
昨年、同社が行った調査では、「理解を超える高値が増加(59・7%」という回答が「高値だが適正範囲(24・7%)」を大きく上回っていたことから、1年間で不動産取引に対する警戒感が薄れているのだという。
現在の不動産投資は、バブル期のような土地神話の下で行われた野放図な土地投機が行われているのではなく、収益不動産を対象に行われている。つまり、公示地価ではなく、キャップレート(還元利回り)とイールドギャップ(不動産の収益利回りから借入金利を差し引いた数値)が投資指標となっている。
このことから、冒頭、松村氏が言う調整局面が目下、投資家にとって最も注目されている点であるという。
同アンケート調査で、市場成長にブレーキをかける要因についての回答は、「長期金利やノン・リコースローン金利の上昇」が82・5%と多く、次いで「イールドギャップの縮小」が63・8%、「一部ファンドの破綻や利益相反問題による投資家の信頼低下」が50・0%となっている。
「説明のつかない取引や、投資家の信頼を損なうケースを機に、市場全体の信任が低下することが予想されますので、金利や景気動向に加え、その点についても注視していく必要があるでしょう」
日本ビルファンド投資法人 大手前センタービルディングを大阪テレビに譲渡 帳簿価格と譲渡価格の差額は6億6378万4643円
日本ビルファンド投資法人(東京都中央区)は、大手前センタービルディングの信託受益権をテレビ大阪(大阪府大阪市)に23億7000万円で譲渡すると発表した。
大手前センタービルディングは、地下鉄谷町線「天満宮」駅徒歩2分、京阪本線「天満橋」駅徒歩2分に位置する、平成4年6月竣工、地上13階・地下1階、延床面積7580・04㎡のオフィスビルで、日本ビルファンド投資法人が、平成13年5月に取得していた物件。
同投資法人が規約に定める資産運用の対象及び方針に基づき、ポートフォリオの資産構成ならびに構築方針等を考慮し、総合的に検討した結果、譲渡を行うこととなった。
なお、帳簿価格と譲渡価格との差額は、6億6378万4643円。同投資法人の資産運用業務を行う日本ビルファンドマネジメント(東京都中央区)の利害関係人等に該当する三井不動産販売(東京都新宿区)と、信託受益権媒介契約を締結する予定だ。
物件引渡しは平成18年の2月1日を予定している。
<新規上場REIT>スターツプロシード投資法人 11月30日ジャスダック上場
スターツプロシード投資法人(東京都中央区)がジャスダック証券取引場に上場した。
主として、その主たる用途が賃貸住宅に供される不動産並びにマンスリーマンション、サービスアパートメント、ホテル及び高齢者施設等の賃貸住宅の周辺領域の不動産、または主として賃貸住宅等を裏付けとする特定資産に投資して運用を行うことを基本方針としている。
同投資法人の資産運用業務を行うのはスターツアセットマネジメント投信で、スターツデベロップメントとのパイプラインサポート契約、CAMとの物件情報提供契約による情報提供及び、開発ノウハウなどの広範な協力体制の構築することで、運用資産の取得機会の拡大を図る。また、スターツアメニティーが、当初のプロパティマネジメント会社一貫した業務体制となり、管理運営コストの削減を図ることとなる。リーシング業務については、入居募集用店舗網を有するスターツピタットハウス、稼働率の上昇や賃料単価の上昇等を目指す。
12月1日には、「第1パークハウス」「αネクスト東陽町」「αネクスト葛西」「プレイス三軒茶屋」「ガナドール瑞江」など、東京都、千葉県、埼玉県、新潟県、愛媛県、福岡県、北海道の各所、25物件を、77億2900万円で取得して、資産運用を開始した。
ジョイント・リート投資法人 竣工前の2物件を計25億3700万円で取得 25物件を取得し資産運用開始目黒・亀戸の居住用不動産工事完了・引渡リスク回避
ジョイント・リート投資法人(東京都目黒区)は、「スペーシア目黒」「フィットウェル亀戸」の2物件を取得する。
「スペーシア目黒」は、JR山手線「目黒」駅徒歩10分に位置する、平成17年12月竣工予定、地上5階建て、延床面積1357・61㎡の賃貸マンションで、ウラヌス・キャピタル・パートナーズ(東京都中央区)より8億8700万円で取得。「フィットウェル亀戸」は、JR総武線「亀戸」駅徒歩1分に位置する、平成17年12月竣工予定、地上11階建て、延床面積3073・79㎡の賃貸マンションで、エルカクエイ(東京都新宿区)より、16億5000万円で取得する。
2物件とも、竣工前のため、売主が引渡予定日までに建築確認取得済図面の通り建物が建築され、監督官庁による竣工検査を経たうえ検査済証の交付を受けること。引渡予定日において、売主及び同物件に関する遵法性が維持され、かつ、同物件について瑕疵性が認められないこと等を、売買代金支払の条件とし、工事完了・建物引渡しリスクの回避を図っている。
<新サービス開始>アイディーユー スルガ銀行と新サービス提供で合意非対面型ネット不動産専用ローンを開発
アイディーユー(大阪市北区)は、自社で運営する不動産オークションサイト「MOTHER’SAUCTION」上において、全国で対応可能な非対面型ネット不動産オークション専用ローンをスルガ銀行(静岡県沼津市)と共同開発することを決定した。
アイディーユーは、インターネット上におけるマーケットの提供や、各種ポータルサイト、ネット証券との提携を通じ、ユーザーに対するネット上の間口を広げるだけでなく、全国規模の非対面型ローンを提供していく事が、マーケットの普及にあたり重要な要素と考えていた。そこで、40種類以上のパーソナルローンのラインナップやネット専業支店の開設などを実施してきたスルガ銀行が、そのニーズに応えることとなった。
非対面型(来店不要)、全国対応(国内であればエリアは問わない)、という取り組みは、国内。
初対象となるのは、マザーズオークション会員で、対象不動産はマザーズオークションで扱う投資用、居住用不動産となっている。今後、物件購入者は、居住地、物件所在地に限定されることなく決済が可能となるため、アイディーユーは、インターネットを活用した不動産オークションの売買はさらに増加し、不動産の流動化がさらに促進され、日本における不動産流動性向上に貢献できると考えている。