不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2006.01.16 10:07
<話題の技術>独立行政法人理化学研究所/東レ 光触媒コート剤の性能・耐久性が2倍に向上 フラーレンを活用した新技術
独立行政法人理化学研究所(埼玉県和光市)は、東レ(東京都中央区)と共同で、「フラーレン」(炭素原子からなるクラスターの総称)を活用することにより、酸化チタン等の光触媒材料を用いた光触媒コート剤の性能・耐久性を2倍に向上させる技術開発に成功した。
光触媒材料は、粒径数nm(ナノメートル)から数十nmの微粒子状のものが多く、これらを対象物に固定するために、バインダーポリマーと呼ばれる高分子を一様に混合して用いられる。しかし、光を照射した時の触媒作用が強すぎ、固定化していたバインダーポリマーも分解してしまい、コーティング層の劣化が著しいという課題があった。
今回の研究により、フラーレン誘導体と汎用的に用いられる光触媒材料の粒子をアクリルポリマー中に均一かつ効果的に分散・混合する技術開発に成功。開発したフラーレン誘導体の添加による光触媒コート剤の劣化抑制効果について検証したところ、光触媒コート剤の寿命は少なくとも従来品比で2倍以上と大きく向上する結果が出た。
同技術を活用することで、光触媒コート付きテキスタイル製品の耐久性を向上させることが可能となるため、衣料、カーペットやカーテンなどテキスタイル分野を中心に、用途が大きく広がることになるという。
三菱電機 高さ173mのエレベーター試験塔を建設 分速1200m級の実機検証が可能昇降機事業の強化・拡大を図る
三菱電機(東京都千代田区)は、世界最高となる173メートルの「エレベーター試験塔」を愛知県稲沢市に所在する同社施設「稲沢製作所」に建設し、昇降機事業の一層の強化・拡大を図る。
新試験塔では、分速1200メートル級の超高速エレベーターや、大容量エレベーターなどの技術開発を行うことで、乗り心地、低騒音・低振動、安全性といった品質・信頼性向上のための研究開発を行い、また、エレベーターの将来構想を練る基盤となる先端技術の開発にも活用していくこととなる。
1965年に設置された現行の試験塔では、地上65メートルで、同社はこれまで、同試験塔にて、1978年の池袋サンシャイン60(分速600メートル)、1993年の横浜ランドマークタワー(分速750メートル)向け高速エレベーターを開発してきた。これにより、当時の世界最高速度を実現してきたが、今回の新試験塔の建設によって、分速1200メートル級の超高速エレベーターや、一度に大人数を運ぶことが可能な大容量エレベーターなどの先進技術製品の開発を加速させるとともに、乗り心地、低騒音・低振動、安全性といった品質・信頼性向上のための技術開発強化を図る。また将来構想エレベーターの創出のため、その基盤となる先端技術の蓄積と製品開発力を強化することも可能となる。なお、新試験塔の竣工は、2007年5月を予定している。
コールマンジャパン 防災用品3セットを4月上旬販売開始 帰宅困難者から家庭用まで災害発生時の3場面を想定
コールマンジャパン(東京都中央区)は、防災用品3セット「エマージェンシープロフェッショナルセット」、「エマージェンシーハウスセット」、「エマージェンシーエッセンシャルセット」を開発し、4月上旬より販売を開始する。
「エマージェンシープロフェッショナルセット」は、テントをはじめ、スリーピングバッグ、蛍光灯ランタン、発電装置搭載多機能ラジオライトなど、災害発生時に勤務先などにいて「帰宅困難者」となった場合を想定したラインナップ。また「エマージェンシーハウスセット」は、ウォータータンクをはじめ、ランタン、寝袋、調理器具などをセットした、家に居て、ライフラインを遮断された際の不安を取り除くラインナップ。そして「エマージェンシーエッセンシャルセット」は、ワイドビームヘッドライト、エマージェンシーブランケットなど、必要最小限の防災用品を用意したセットとなっている。
なお価格は、「エマージェンシープロフェッショナルセット」が5万7750円(税込)、「エマージェンシーハウスセット」が9万2400円(税込)、「エマージェンシーエッセンシャルセット」が1万8900円(税込)。
インフォマティクス 3次元CADデータの情報を活かすことでデザインの雰囲気を伝える画像制作が可能 製品販売価格は13万4400円
インフォマティクス(神奈川県川崎市)の3次元ペイントレンダリングシステム「PiranesiV4.0」は、アーキテクトやデザイナーのために開発されたツールである。
3次元CADデータの情報を活かすことで、手描き風の画像や生活感のある情景など、デザインの雰囲気を伝える画像を制作することを可能にしている。
「PiranesiV4.0」の特徴として、特に3次元モデルを点景として配置する機能を新たに搭載したことにより、パースに2次元画像の植栽や人物を配置する従来の手法のみならず、3次元モデルの建物や家具、什器を3次元的に配置しながら目的の空間を描き出すことが可能。これにより、積極的なプレゼンイメージを制作できるようになる。
また、既に「Piranesi」を活用している、建築、住宅、エクステリアの分野、また店舗設計、インテリア、リフォームなどの分野においても、素早くバリエーションに富んだ提案を可能にすることで、顧客の説得、獲得を支援するものとなっている。販売価格は13万4400円(税込)。
<注目の製品>日立国際電気 撮像素子EMCCD採用の超高感度カメラ 小形・低消費電力・長寿命化を実現監視用途をはじめ幅広い展開可能に
日立国際電気(東京都中野区)が昨年販売した単板式高感度カメラは、新開発の撮像素子EM-CCD(Electron-MultiplyingChargeCoupledDevice)の採用で、一般に使用されるカメラの100倍以上の超高感度を実現し、夜間でも動いている自動車や人などを動画像で撮影可能な製品だ。
開発されたカメラは3機種。鉄道、空港、港湾、ダム、など、ハイレベルのセキュリティが要求される重要施設などで、夜間動画での監視を実現した15倍電動ズームレンズを搭載し、独自のバックラッシレス機構により、精度の高い高速旋回も可能な監視用の電動雲台一体型高感度カメラ「HC-258(最低被写体照度0・012ルクスカラー蓄積オフ)」。そして蛍光顕微鏡・眼底カメラやPDP検査装置・ウェハ検査装置、夜行性生物観察など微弱な光しか照射することのできない被写体の撮影を可能としたカラー/白黒切換タイプの「KP-DE500(最低被写体照度0・009ルクス:カラー蓄積オフ)」、もう一機種は、白黒専用タイプの「KP-E500」(最低被写体照度0・0003ルクス蓄積オフ)、である。新開発の撮像素子EMCCDを採用したことにより、小形・低消費電力・長寿命化を実現し、監視用途をはじめとする産業用途へ幅広い展開を可能とした。価格は、「HC258」、「KPDE500」、「KPE500」ともにオープン。
山武 空調制御用コントローラを新開発 オープン化対応で海外へも積極販売
山武(東京都千代田区)は、1月16日より、空調制御用コントローラ「Infilex™シリーズ」にオープンな通信環境で使用できるLonTalk(R)対応をラインアップし、販売を開始した。
LONは、相互運用性が確保されたオープンシステム技術で、ビルディングオートメーションを中心に普及しているもの。同社は、昨年IPv6に対応する新世代型DDC「InfilexTMシリーズ」を開発し、ネットワーク社会への対応を図ったが、「InfilexTMシリーズ」LON対応化によって、LONを利用したオープン化のニーズにも応えられることとなった。
新たなラインナップ機種では、小型化も図られ、空調機内制御盤のスペースに組み込み可能なほか、既存システムへの接続ができ、追加や置き換えも可能。また、オートチューニング機能を標準搭載し、オペレーター設定機や居室内設定機の接続オプションも用意されている。
IPv6、NCbus、LON通信、3種類の通信ラインアップで、今後は海外へも積極的に販売していくという。
なお、価格は、28万円〜(InfilexTMAC)となっている。