不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2006.01.30 11:24

TOTO 普及機にフチなし形状・新洗浄方式を採用 従来機はコンパクト化して上位機種にマンション改修に適した機種も品揃え
 TOTO(福岡県北九州市)は清掃の手間が少ない便器「ピュアレストQR」を2月1日より発売する。
 同社では02年より便器ボウル内のフチ「裏」をなくした「フチなし形状」と便器内をくまなく洗浄するトルネード洗浄機能を備えた掃除のしやすい便器を販売しているが、これまでは中高級シリーズのみに採用されていた。ピュアレストQRは7万円台の普及価格帯の商品ながら、前出の機能を持つ清掃性の高いものとなる。
 これまで中級シリーズとして同様の機能を持ち04年から発売されてきた「ピュアレスト」は、発売から約2年で25万台を出荷したヒット商品で、今後は「ピュアレストQR」の上位機として「ピュアレストEX」に名称を改め、デザイン性とコンパクト性・清掃性を向上させたうえで同日に新発売する。便器部形状は直線を基調とした無駄のないデザインとし、奥行きを15mmコンパクトにすることで狭いトイレブースにも対応。便器本体側面の埃がたまりやすい窪みをなくすことで差別化を図る。また、築15年以上の分譲マンションのトイレに多い壁排水タイプの洗い落とし式便器の取り替えに対応した機種も品揃えした。
 なお、希望小売価格は税抜きでEXが9万3000円~9万9000円。QRが7万8000円~8万4000円だ。

鹿島 気象庁速報利用し早期地震警報システム構築 超高層マンション現場に適用
 鹿島建設(東京都港区)は気象庁が試験配信中の緊急地震速報を利用した「鹿島早期地震警報システム」を構築し、国内で初めて超高層マンション建設現場に適用・運用を開始した。
 建築現場においてはこれまでも足場にいたるまで耐震設計を行い安全の確保に努めていたが、同システムの導入によって事前に地震の発生を現場作業員に伝えて警戒を行うことでより安全な施工管理を行う。具体的には①自身の到達直前に高所作業を行うタワークレーンのオペレータ操作室へパトライトの光と音によって地震情報を伝えて、高所から地上の作業員に退避指令を出す②工事用エレベータを自動的に最寄階に停止させる③現場事務所内のパソコン画面に地震情報を自動的に表示させる④現場内に利用している携帯電話のメールへの情報配信を行うなどの運用を行っている。
 なお、システム導入前に建設現場での社員・作業員にアンケートや模擬訓練を行い、数秒から数十秒というわずかな時間内に作業員が行える具体的なアクションプランをイメージできるようにしたという。

<注目の新技術>三洋電機 電解水でウイルス除去する空間清浄システム 花粉・ダニ死骸などアレル物質も抑制
 三洋電機(大阪府守口市)は水道水を電気分解して生成する電解水技術を応用したα電解水除菌システム「ウイルスウォッシャー」機能を搭載した「業務用空間清浄システム」を開発し、2月1日から三洋コマーシャル販売より発売開始する。
 ウイルスウォッシャー昨日は電解水を滴下・浸透させた新開発「除菌エレメント」に空気を通過させ、その空気中に含まれるウイルスの表面蛋白(通称:スパイク)に作用しウイルスを除去するという独自の方式を採用。この方式による浮遊ウイルス抑制効果について検証実験を行った結果、1回の通過で99%以上の抑制効果が明らかになったという。また、電解水にはウイルスだけでなく花粉やダニのフン・死骸等のアレル物質の抑制にも効果がある。薬剤を用いず水道水を使用するため、危険性伴わず低コストを実現する。フィルターによるウイルス捕獲ではないため、目詰まりによる効果の低下が少なく、浄化空気には1時間当たり約1リットルの加湿性能も備わっている。
 なお、水の供給は取り外し可能なタンク式とすることで水配管不要とし、単層100Vの電源だけで稼働するのでどこにでも設置できる。
 メーカー希望小売価格は税抜きで29万8000円、初年度10万台を目標に販売していく。

三菱電機 店舗・事務所用のエアコン室外ユニット2種を小型化 「スリムインバーター」2機種を発売
 三菱電機(東京都千代田区)は、業界トップクラスのコンパクト化を実現した店舗・事務所用パッケージエアコン大型「スリムインバーター」シリーズの室外ユニットP244形(8馬力)・P280形(10馬力)2機種を5月から発売する。
 コンパクト化を実現できた理由は、熱交換器の配管径を9.52mmから7.94mmに細管化するとともに配管を高密度に配置した「高密度細管化熱交換器」を新たに採用したことにある。10馬力室外ユニットで0.42㎥(従来機種比約3分の1)、高さ寸法1350mm(従来機種比450mm)を実現した。また、送風機の吹き出し方向を上側(トップフロー)から横(サイドフロー)に変更することで、熱交換器の風速分布を均一化し箱体の奥行きを短縮。設置面積は従来機種比約2分の1の0.31㎡、質量は従来機種比約3分の2の121kgに軽量化しており、据付性に加え運搬性も改善されている。
 室外ファンの翼長と取り付け角を「高密度細管化熱交換器」に合わせて最適化した「高静圧プロペラファン」採用により、風路の減少にともなう静圧状況下での送風特性を改善。また、ファン後縁部の形状を工夫してファン効率を改善した。

清水建設 配筋検査システムを外販 配筋検査データ公開も可能
 清水建設(東京都港区)が開発した配筋検査支援システム「筋太くん」を川田テクノシステム(東京都荒川区)が外販を開始する。
 「筋太くん」は携帯パソコンを使って鉄筋工事の品質を効率的に管理できるアプリケーションソフト。清水建設は開発以来150以上の現場で活用し、従来の半分以下の時間で鉄筋の品質管理を行っていた。設計段階で作成したCADの構造データを施工段階の配筋検査に利用して鉄筋工事の品質管理を行い、配筋検査の準備から記録の整理、報告書作成まで一貫して行うことができる。配筋状況をリアルタイムでデータ報告できるため、例えばマンション事業者が購入者などに配筋検査データを簡単・迅速に公表することも可能だ。
 販売は4月頃から開始し、年間使用料18万円で提供する予定。ゼネコンや設計事務所などに初年度500セットを目処に販売していく。




週刊不動産経営編集部  YouTube