不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2006.02.06 12:23
プリンス電機 従来照明器具そのままで省エネ・省ごみ対策実現 リニューアル用新スリム形蛍光ランプ発売
プリンス電機(横浜市鶴見区)は、照明器具リニューアル用の新スリム形蛍光ランプ「省ライン」FHN・Rシリーズを2月1日から発売開始した。
この商品は、2004年3月に発売し、「平成16年度地球温暖化防止活動環境大臣賞」と平成16年度省エネ大賞」をダブル受賞したFHNシリーズの姉妹品蛍光ランプで、同等の性能を持つ。FHNシリーズでは対応できなかった、従来品の40W形蛍光ランプ用照明器具に使用されているソケットに取付けできる「省ライン」用のG13口金を開発し、管径15・5㎜(T5)で口金ピン幅13㎜(G13)を実現した。
従来の40W形蛍光ランプに比べ最大47%の省エネ性能を有し、管径を2分の1以下にすることで、省資源・省ごみに優れる。また、専用電子安定器との組合せで、チラツキは少なくなる。
なお、標準価格は1700円(税抜)で、ランプの交換には専用安定器(1灯用1万2000円・税別)が必要な場合もある。同社では、「選べる照明省エネ対策」を推進しており、ニーズに応じた対策を提案していく。
<注目の新提案>錢高組 東北支店社屋の耐震・バリューアップ工事終了 耐震ブレース等保有技術活用 外断熱など省エネ対策も実施
総合建築業の銭高組(大阪市西区)の東北支店では、社屋のバリューアップ工事を完了した。近い将来発生すると予想される宮城県沖地震に備えてアンカーを必要としない自己圧着ブレースなどの保有技術を採用し、4ヶ月の工期でバリューアップと同時に耐震工事も実施している。
東北支店社屋は、1964年竣工の旧耐震基準による地上3階建ての小型ビル。耐震性の問題に加えて、セキュリティ設備や空調設備など新型のビルに比べて若干見劣りする部分があった。
今回の改修では、1階に自己圧着ブレースを1ヶ所設置し、2〜3階の開口部をふさいで耐震壁とすることで新耐震基準に適合。外壁には外断熱工法を採用し、省エネ効果だけでなくひび割れ、中性化などのコンクリート劣化対策を図った。
省エネ対策に関しては、高効率型照明器具の採用に加え、空調には加湿器付き全熱交換器を採用している。土間からの冷えが予想される1階には還流ファンを設置して上下温度のムラをなくすなど、外断熱と併せて冷暖房のランニングコストは約30%の削減を見込む。また、ICカードと監視カメラを導入してセキュリティ向上を図り、全事務室にOAフロア・高速通信対応LANを導入した。
なお、今回の工事は居ながら施工としており、今後は積極的に顧客にも同様の改修提案を行っていく。
三井住友建設 柱の太さ変えずに200m超の鉄筋コンクリートビル視野に
三井住友建設(東京都新宿区)は、東京エスオーシー(東京都港区)ならびに住友大阪セメント(東京都千代田区)と3社共同で開発した「超高強度コンクリート」の材料性能評価を、日本建築総合試験所において取得した。また、高強度コンクリートで問題とされる自己収縮を低減するために、膨張材を混入した超高強度コンクリートの材料性能評価を同時に取得している。
材料性能評価を受けるにあたり、通年使用を可能とするため、実際の構造物を模した試験体を春期、夏期、及び冬期に作製し、それぞれの試験体から取り出したコンクリートの試験を行ない、実強度180N/m㎡を確認の上、設計基準強度150N/m㎡を申請した。これによって33N/m㎡から150N/m㎡までの高強度コンクリートを製造し、物件を限定することなく様々な建築物に使用することが可能になった。
今後は、一般に使用されているコンクリートの5倍を超える圧縮強度を有し、下層階の柱の断面寸法を通常の建築物と同程度に抑えた「200m超級の鉄筋コンクリートビルの実現が視野に入る。また、「プレストレストコンクリート」と組み合わせると、大スパン構造多層建物の柱の断面増大を抑えることが可能になり、「大スパン構造」と「免震」を組み合わせると、優れた免震性能を持ちながら平面計画に無理が生じない免震建物を実現できるという。
荏原冷熱システム インバーター付き200kW級チラー COP5.5の省エネ仕様小型化でEV搬入可能
荏原冷熱システム(東京都大田区)と、関西電力(大阪市北区)は、ビルや工場の空調に使用する冷却装置(チラー)分野向けに、冷房能力200kWクラスのチラーとしては初めて、乗用のエレベーター(積載重量1tクラス)に積載することが可能な、インバーターを搭載した部分負荷効率の高いスクリューモジュラーチラーを共同開発した。
本製品は、新冷媒(HFC系冷媒「R407C」)の採用により小型・軽量化を実現し、インバーターを搭載することで、部分負荷効率に関しては業界最高効率(COP5・5)を達成している。これにより、部分負荷での運転時間が長い一般ビルなどにおいて、ランニングコスト削減が可能だ。また、複合台数連結が可能なため、大容量でも搬入が容易で、工期も短縮できる。
今月から発売を開始し、製品価格は1基970万円。定格出力一定運転時間の長いユーザーに対しては、インバーターを搭載しない機種も販売していく予定。両タイプをあわせて年間200基以上の販売を目指す。
<省エネ新機軸>三機工業 廃熱を輸送する「ヒートコンテナ」実証実験 公共施設と民間工場にて熱源として効率的に活用
三機工業(東京都千代田区)は、協力企業数社・団体と共同で廃熱をコンテナで輸送する「トランスヒートコンテナ・システム」の熱輸送実証実験を開始した。
実験対象となったのは、東京都下水道局清瀬水再生センター(東京都清瀬市)内の下水汚泥焼却設備から排出される廃熱と、群馬県邑楽郡の三洋電機東京製作所の熱源をそれぞれ遠隔地で利用する。清瀬水再生センターの排熱は2・5km離れた清瀬市民間体育館にて暖房用熱源として利用し、群馬県の三洋電機の熱源は、約20km離れた埼玉県深谷市内にある古河スカイ深谷工場の蒸気ボイラ給水の予熱に利用するという。トランスヒートコンテナは三機工業と栗本鉄鋼所が2003年にドイツのプロジェクト・マネジメント・コンサルタンツ社より技術導入したもので、未利用エネルギーである排熱を蓄熱コンテナに蓄えて、輸送後活用することでCO2削減などに期待されている。
ナブテスコ 広範囲の人体検知する「赤外線センサー」開発 高密度検知装備
自動ドアシェア50%を誇るナブテスコ(東京都港区)は、自動ドア用天井埋込型近赤外線反射センサー「H85反射センサー」を開発し、今月より発売を開始した。
同製品は、72個の高密度スポットで検知する自動ドア用センサーである。天井埋込型のセンサーでは国内で初めて、自動ドアの軌道をカバーするドアウェイ監視機能を備えた。オプションのプリズムを使用することで低天井でも検知エリアをワイドに設定できる。
全国自動ドア協会では自動ドア安全ガイドライン(スライド式自動ドア編)を制定し、本年4月に実施することを予定している。同社では、ガイドラインの浸透によって、各施設から安全への要求が高まるものと予想しており、新商品の初年度年間販売台数は1万台を見込んでいる。
岩崎電気 反射鏡融合させたLEDシリーズ発売 ポールライト等42点ラインナップ
岩崎電気(東京都港区)は、配光・光学制御技術を活かし、反射鏡を融合させたLEDシリーズ「LEDioc(レディオック)」を開発。屋外景観照明器具「ポールライト」「アプローチライト」「フットライト」「LEDユニット」など42点の発売を開始した。
従来は困難であった照明器具直下の明るさだけではない、効率良く路面を照射する反射鏡を搭載し、LEDの特徴であるコンパクトさを生かして「シンプル&コンパクト」を追求している。また、LEPの寿命は長くメンテナンス性も高い。なお、ポールライトの販売価格は9万9800円〜19万5800円(鋼管ポール別)。